雪の日に

真白透夜@山羊座文学

第1話

 気圧というものに左右されやすく、午前においてはある種の万能感がありましたが、夕方には味方のはずの暗闇も、ぽっかりと空いた穴に独りきりのようで焦ったりするのです。ここいらでこの暗がりを、胎児の記憶やらと結びつけるのは不適切です。私たちは単なる偶然で全体の機能の一部なのですから。

 瞼の痛みや、頭痛、首の軋みも気圧から来ているのでしょう。うるさくて、横になりました。世の中には非常にもう眠ることも許されない人たちもいるというのに贅沢です。世界平和を祈って、実現したことがありましたでしょうか。それとも祈り方が足りませんでしたか。

 もつもつと雪が降っております。あたりはしんとしています。近くの寺は、新年を迎える紅白の幕が掛かっていました。昔々、私は生きていることがたまらなくて、夜中に家を抜け出して雪道を歩いたことがありました。私がこのまま雪に溺れたらきっと、父母は悲しむだろうと想像しながら。私はそのとき、何者でもありませんでした。今思えば、その時からずっと、何者であるかを拒んできました。唯一の真実、人の子であることが彼らが悲しむ権利でした。

 私は、友人の家に迎え入れられました。彼女には母親しかおらず、母は夜の仕事でいなかったのです。私は彼女を尊敬していました。彼女は学校に行かないことにしていました。私はなぜ彼女がそうするのか、何が彼女をそうさせるのか、いつも考えていました。

 彼女は、自分がにおうから学校に行けなくなったと言っていました。そのようには感じませんでした。その後、私の人生において、もう一人、同じ理由で学校に行かなくなった人が現れました。私たちは何やらそれぞれに、不思議な機能を持たされているようでした。

 人生の分かれ目だったと思うのです。あの日、もし私の行く先が寺だったならば。もし、行く先に何もなければ。彼女がいなければ、雪道を歩かなかったかもしれない。常に選択肢と選択は私らしさに相応しかったのです。

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