第1話だけで世界観の重さとキャラクターの魅力が同時に伝わってくる。
亜人族に侵食される人類、革命軍の台頭、四カ国の争い——これだけの背景を持ちながら、御者や騎士との気の置けない会話で場の空気を一気に温かくする筆力が素晴らしい。ギルの「微妙にイジリにくいボケやめろよ」という反応一つで、このキャラクターの人となりがしっかり伝わる。
「魔法が使えないのに魔導学院へ入学する」という設定の面白さも抜群だ。最高峰の学び舎で自分だけ魔法がゼロというのに、ギルは焦るでも卑屈になるでもなく、軽やかに開き直っている。そしてラストの「さて、いっちょひっくり返しますか──世界を」という一言が、後を引いて仕方ない。続きが読みたくて仕方なくなる、見事な第1話だ。