その昔、任天堂株式会社がラブテスターという玩具を販売していたことがありまして。ポリグラフという生理反応を記録する装置を利用したおもちゃだったんですけど、これは発売から1年ほどで製造中止になったそうです。
……とまあ、だいたいここまで wikipedia からの引用です。
私も現物は知りません。生まれる以前のものなので。存在は知っていましたが。でも、復刻版があったそうでね。それで見たことがある人はいるかもしれない――て、そろそろ本題に入ろう。
ラブテスターは二人手をつないだり(なんなら唇を合わせたり)で同時に生体反応を測定するといったものだったわけですが、本作のラブ・ガンは違う。使う人が一方的に測定するというところが、きっと作中世界が荒れる原因のひとつだったのではないか――そんなことを、考察してしまいました。
生体反応を計り、愛情を数値として可視化する。たぶん、後発で人の好感度なんかも測定する類似品がいっぱい出たんでしょう。政治利用なんかもされたりしてね。聴衆の反応を計測して数値化、ヒートマップみたいなものを作ったりしてね……時間経過で演説がどう大衆の感情を操作できているとか。
映画の試写会とかでもさ、観客がどこでどう感情の起伏を起こすとか数値化するわけですよ。ラブ・ガン的なもので――
おお、けっこう危なっかしいツールじゃあないか。
「知らぬが仏、知るが煩悩」とはよく言ったものです。
作中の背景を考察したり妄想したりできる、なかなか読み味の深い短編でした。