何かがおかしい
@komugiko-A
目覚まし
ジリリリリ、ジリリリリ
鳴り響く目覚ましの音を聞いて飛び起きた。
赤色の布団は大量の汗で湿っていた。時計の針は午前9時61分を指している。完全に寝坊した。急いで会社に言い訳の電話をしようとスマホを手に取ると、日付は2月の31日、日曜日だった。
二度寝しようかと思ったが、そうする理由もなかったので起きることにした。顔を洗い、軽い朝食を摂りながらテレビを点ける。腹部が焼けるように痛い。昨日の夜からだ。毎日ラーメン生活は流石に厳しいか…。
テレビでは飲食店で起きた殺人事件について取り上げられている。恐ろしいなと思いながら、インスタントコーヒーを啜る。
朝食を食べ終えたら歯を磨きながらソシャゲのログインボーナスを受け取る。いつもと変わらない朝だ。
………………隙だ。久しぶりの休日だが、特にやりたいことも無いので唯唯暇な一日だ。最近完結したHUNTER✕HUNTERの一気見でもしようかな。
ふと時計を見ると12時半だった。読書に熱中するあまり時間を忘れるところだった。さて、腹も減ってきた事だし昼飯でも買いに行くか。
寝癖を直して、別にコンビニに行くくらいなら着替えなくてもいいよな。財布とスマホをポケットに入れて玄関を開ける。一番近いコンビニは徒歩10分の所にある。そういえば玄関を出る時に、いや、朝起きてからずっと何か違和感を感じているが、きっと気の所為だろう。
5分くらい歩いただろうか。歩行者用の信号機に捕まってしまった。…………………信号が赤色から黄色に変わった。もう直ぐだ。押しボタンスイッチを連打する。……………青色に変わった。視界が、青色に変わった。世界が、青色に変わった。もう一度押しボタンスイッチを押そうとしたら、手がすり抜けた。手には、穴が空いていた。手が、無かった。
……………………………………………
信号が青になったので、今日は何を食べようか等と考えながら足を進める。そんな事を考えていたら、コンビニに着いた。好物のイクラのお握りがあったのでカゴに入れる。最近は寒いから、暖かいSOUPも買っていこう。あとはアイスも。ファ〇チキも買っていこう。買いたい物が一通り揃ったのでカゴをレジに持っていった。財布から1000円玉1個と500円札1枚を出す。ファ〇チキが冷めないように急ぎ足で帰路につく。コンビニを出ると、もう青色は無くなっていた。
家に着いた。玄関を空け、靴を脱ぐ。ふと時計を見ると13時半だった。家からコンビニまでは往復も含めて20分程しかかからない筈なのだが、そんな事よりも腹が減っていたので気の所為という事にして手を洗う事にした。
丁度昼飯を食べ終わったと同時に行方不明者捜索依頼の放送が流れた。この街の防災無線は音割れが酷くて何を言っているか分からない。耳が聴こえなくなった気がした。
昼飯を食べても依然として暇だったので散歩に行くことにした。
…………今日の事を思い返してみると言葉では言い表せない様な違和感に襲われる。でも、それが何から来る違和感かは分からないという何ともモヤモヤした気持ちになる。
…………今日ほ日曜日。何故目覚ましがかかっていたんだ?
…………普通ならただの消し忘れだと思うだろうが
…今日は何かがおかしい。何か一つ大きい事ではなくて多くの細かい事がこの違和感を作り出しているのか?それに昨日の事が思い出せない。いや、
昨日、一昨日なんてものじゃなくて3ヶ月分くらいの記憶が無い。それにこの違和感も朝と比べて次第に薄れてきている。この違和感の正体が分かった時に自分の身に何かが起きてしまいそう気がして仕方がない。
………?行方不明者のポスターだ。名前と顔が黒く塗りつぶされている。……きっと悪趣味な奴の悪戯だろう。そういうことにしておこう。
近所の公園に着いた。見慣れた景色だ。俺の他に子供が何人か元気に走り回っている。その中でも一際元気だった子供が固く握りしめたその包丁を俺に突き立てた。アツイ。燃えるようにアツイ感覚が腹部全体に広がる。視界が真っ赤に染まった。子供は居なかった。俺も居なかった。誰も居なかった。
お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?お前は誰?
………………………
携帯の着信音で目を覚ました。どうやら寝てしまっていたようだ。時刻は19時。大分長い間寝てしまっていたようだ。電話の相手は縺薙l繧定ヲ九※縺?k縺雁燕だった。電話にでると、理由の分からない言葉では申し立ててくる。こちらが話そうとしたら一方的に切られてしまった。
言い表せない違和感、塗りつぶされたポスター、それにこの電話…今日は変な事ばかり起こるな。とりあえず家に帰ろう。外も暗くなってきたし。
家に帰った頃には19時45分を切っていた。そろそろ飯だな…♡少し休憩したらラーメンでも食いに行くか。ちょっと遠いけど。
21時60分。いつものラーメン屋に着いた。
こういう変な事ばかり起きる日は一旦全部忘れてドカ食いするに限るよな!
『お客さん!ご注文を伺います!』
いつもの掛け声をする。
「全マシで!」
『はい!全ナシね!』
…………え?
目が見えなくなった
匂いが分からなくなった
呼吸が出来なくなった
手が無くなった
足が無くなった
椅子から落ちた
痛い
誰かに蹴られている。殴られている
刺されている
血が床に広がる
何処かに連れて行かれている
………目覚ましの音が聴こえる
END
何かがおかしい @komugiko-A
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます