転世甚悟

青山 翠雲

第1話:転世甚悟

 天声人語と言えば、通常6つの段落で603字で構成され、世相を切り取って読者に考えさせる問いかけが朝日新聞朝刊一面に長きに亘って掲載されている我が祖父も執筆していた名物コラムである。由来は「天に声あり、人をして語らしむ」。


 その血潮を受け継ぎし私が「転世甚悟」を著すこととした。意味するところは「世にまろびて、甚だしく悟る」。カクヨムで持て囃される「転生」とも逡巡したが、世にまろぶとした。その思いは、どうして、こうも毎日碌でもないことばかり起きるのかとげんなりする一方、それを契機に思索に耽ることで大きな学びもあり、それを書き留めていけば、とんでもない哲学的な悟りの境地に達するのではないかと感じたからだ。


 さて、第1回目の世相は何にするか考えた時に、祖父が得意とした「花鳥風月」のHANAにしようと思い至った。兎角とかくガールズグループといえば、眉目秀麗な容姿基準のユニットが多い中、昨年、オーディション番組で歌唱の実力重視で選ばれた7人組だ。「これぞ実力の暴力」の名言も生まれ、普通の女の子が輝いていく様を目の当たりにした多くの若者の共感を勝ち取り、一世を風靡した。


 一方、メジャーデビューを夢見ながら、一生、地下アイドルで終わる人も数多あまたいれば、長年の下積みを経て突然ブレイクする人もいる。


 実は今日、実力不足からカクヨム引退を考えていた。そんな折、激賞の言葉が我が胸を打つ。


 天のみぞ知る日の目。今少し粘ることとしたい。

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