プロローグから一気に気圧された。
金星圏の独立のために戦い、仲間を全員失いながら一人生き残った女性パイロット・ライハーナの描写が圧倒的にリアルだ。コックピットの加速度感、機体の物理的な挙動、宇宙空間での戦闘の特性——このリアリティが序盤から徐々に染み渡ってくる。
仲間が次々と死ぬのを目の当たりにしながら、それでも戦い続けなければならない者の内面が、残酷な一文に凝縮されて滲み出ている。
宇宙ロボットと青春、太陽系の政治情勢と大義——緊迫した戦闘描写と主人公の内面が効果的に融合した、正統派宇宙SFの傑作だ。