α(アルファ)

@maria7

第1話

 それは突然の出来事であった。あまたから人々の声が発声なしに聞こえるというテレパシー騒動であった。この時から世界では超能力が認知され、新たな法整備が開始されていたのであった。


「・・・ん、ここは?」

 そこは、空間と時間の墓場ともいえる、一種の固有結界の世界。

少年は、そこに立っていた。

「あんな騒動が起きてから、こういう不思議な世界に巻き込まれることも稀じゃなかったけど、まさか僕がこんな騒動に巻き込まれるなんて」


 少年は、幾たびと、固有結界と呼ばれる、時間と空間の枠組みを超えた世界へと足に踏み入れていた。少年は、剣をイメージし、そこには、少年の剣が現れ、少年は、戦闘の態勢に入って行った。


 そう、もはや、この世界では、不思議の世界というか、時空間がいくつも生じて、人々を翻弄していた。各国政府は、これらの騒動に対する法整備と体制の準備に追われていたのだった。


 少年は、剣を握り、その固有結界に現れる〝異形〟へと立ち向かう。


 少年には生まれつき、才能があった。それが、いつ使われるか、誰も予想だにしていなかったであろう。


 少年は、イメージこそすれば、それは鮮明であり、現実と全く変わらない体感、知覚、六感を与えていた。


 つまり少年のイメージ力は無制限であり、イメージをするということは、もう一つの現実世界に足を踏み入れることと同義であったのだ。


 少年は今日も〝異形〟を粉砕し、一日を終えていた。少年のその絶対的なイメージ力は、少年に、無限の戦闘力を与えていた。イメージ力が無限という事とは、現実を瓜二つを作るということである。


 そんなイメージ力を持つ少年を政府は見逃さなかった。少年のいる一帯の空間では、〝異形〟と呼ばれる、時空間の歪みによって発生する脅威的存在の発生数が明らかに減少していることが分っていたからだ。


 少年は政府に招来され、そのイメージ力を武器にする、新たな、第6感部隊と称して脳幹軍と呼ばれる、精神感応部隊が設立されたのであった。

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