子どものころ、朝のヒーローものを楽しみにしていたことを思い出しました。
人間世界に混じり込んだ怪獣と戦い、そして最後は巨大なロボットが必殺技で敵を滅ぼす。
この作品はそれを想起させると同時に、さらに深く内部を掘り進んだものとなっております。
テレビで見るものは良いところを選んで見せておりますが、実際のヒーローだって苦悩し、傷付き、疲れている。
そして、それは街の人も同じです。
いつ怪獣に襲われるかわからない恐怖。
それに加えて、自分を助けてくれるヒーロー側も、戦闘の最中には自分を傷つけるモノになるかもしれない。
子どものころには想像していなかった部分を見せてくれるこの作品は、大人だからこそ楽しめる怪獣ものなんでしょう。
これからどう進んでいくのか、非常に楽しみです。
「二〇二四年、東京は消滅した」という冒頭の一文だけで、この作品が背負う世界の重さが伝わってくる。一九五四年以来人類を脅かし続ける怪獣という設定に、円谷プロ的な特撮の文法を文章で再現しようとする試みが、レビューで繰り返し評されている通り見事に結実している。
戦闘シーンの煽り構図、火花散るコックピット、活動限界のあるロボット——文字でしか伝えられないはずの「特撮の質感」を、読者の脳内で映像に変換させる筆力がこの作品の核だと思う。一方で、かつての親友を失った青年という個人的な喪失の物語が、巨大な怪獣災害というスケールの裏にしっかり根を張っている点も好印象だ。レビューで触れられている「正義の奴隷でいい」という諦念めいた自己暗示が、序章として静かに配置されているのも巧い。
特撮ファンの心をど真ん中から撃ち抜く、という評の通り、ジャンルへの深い愛と知識に裏打ちされた重厚な一作だと思う。
第一話の冒頭から世界観の重量が伝わってくる。
1954年以来70年以上、怪獣が人類を脅かし続けている世界で、17歳の少年・一条竜が毎朝悪夢の脂汗を拭って起き、白の隊服を着て窓を開けると「巨大なトーチカと空の戦闘機」が当たり前の日常として広がっている——このたった数行の情景描写で、この世界の歪さが鮮明に伝わってくる。
冒頭の夢パートが味わい深い。「正義のために戦う」のに「全ては滅んだ」という矛盾、そして「正義の奴隷で良い」という自己暗示のような諦め——これが序章として静かに配置されているのが巧い。後の展開への布石として機能していそうだ。
主人公が額縁の中の両親(十年前を夢に見るという表現で死んでいることが示唆される)に向けて「笑顔が似合う世界にしてみせる」と誓う場面は、特撮の王道を踏まえながらも、夢パートの「奴隷」という言葉と並ぶことで単純な熱血ではない重みを感じさせた。しっかりとした世界観の上に立つ重厚な怪獣特撮小説だ。
怪獣災害が日常となった世界で、人類は何を守り、何を信じ、どこまで戦えるのか――そんな問いを、圧倒的なスケールの怪獣戦と人間ドラマで描いていく作品です。
序盤から、要塞化した都市、対怪獣兵器、空中戦艦、そして正体の分からない存在が次々と現れ、映像が浮かぶような迫力があります。
怪獣が街を蹂躙する絶望感、人類側が総力を尽くして迎え撃つ熱さは、特撮や怪獣映画が好きな方にもかなり刺さると思います。
第九話まで読了でレビューを書かせて頂いています。
未知の存在、人類の新たな力、そしてその力に付きまとう危うさ。
ここから物語がどう広がっていくのか、今後も楽しませてもらいます。