読み始めてすぐ、主人公・勇気のあまりの不憫さに笑ってしまい、同時に応援したくなりました。
大好きな彼女に振られた理由がまさかの「かっこよすぎて辛い」。
普通なら「なんだそれ!」とツッコミたくなる理由ですが、彼女・アキちゃんの視点や、周りの友人たちの視点が入ることで、その切実さが痛いほど伝わってきます。
この作品の面白さは、視点が切り替わるごとに「真実」が見えてくる構成にあります。
勇気の視点では「振られた悲劇」だったものが、アキちゃんの視点では「自信のなさゆえの苦渋の決断」、バイト仲間や友人の視点では「もどかしい二人の空回り」へと変化していく。
特に、勇気が必死に「イケメンじゃなくなる方法」を提案するシーンは最高です。
「変なメガネをかける」「家から出ない」というトンチンカンな提案に、アキちゃんが「余計にかっこよくなる!」と返す掛け合いは、ニヤニヤが止まりません。
不器用だけど真っ直ぐな愛が交差する、心温まる群像劇。
恋に自信をなくしたことがある全ての人に読んでほしい、優しくて可愛い物語です!