2 軍国少年

 藤原大雄 橘博史 大伴祐樹 阿部英雄の4人は防衛大学で首席を争った同期生だった.

 彼等は政治家としての人材を欠いた日本の現状を憂いて深謀遠慮して密かに誓い合っていた. そうならないに越したことはないが 将来必ずそれを実行しなければならなくなると思っていた.

 橘博史は陸上幕僚長 大伴祐樹は海上幕僚長 阿部英雄は航空幕僚長 藤原大雄は統合幕僚長に任命されたときが決行のときだった

 綿密なクーデター計画は防衛大学を卒業して任官した時から練られてきた.

 現行の政党はすべて解体し政治家はすべて強制解任し臨時政府が代替し政治に対する具体的な考えをもったもの真に政治家の適正のある人材を求め自らは自衛隊を辞し改新党を立ち上げ選挙によって国民の審判をうけ政権をになう第一党を目指すことを予定している.

 衛星でアメリカの空母エンタープライズが日本の領海200海里に近づきつつあると藤原の元に軍用回線で阿部が知らせてきた.

「領海を侵犯したらどうする大雄」

「決められたとうりにするだけだ 徹甲弾を使え 勝算は」

「武器の性能が同じなら腕も根性もこっちが上だ」

「カタパルトデッキに大穴を開けてやれ ただし沈めるな 日本近海に原子炉を沈めるわけにはいかないからな 直掩機が上がる前に叩け 警告しても撃たないと侮るだろうから そこをつけ」

 藤原は橘にコンタクトし

「誘導ミサイルを2機積んだジープの配備はどうだ博史」

「すべての米軍基地周辺に配備完了済みだ」

「やはり黙って見ていられないようだな」

 その日の朝4人は兼光の三寸五部の短刀を懐に入れて クーデターが失敗した時はすべての責任は首謀者の4人にあるとして自害することになっていた.

 彼等は自衛隊の特選群の精鋭部隊に89式自動小銃にM24ライフル フラッシュバン 藤原が設計し新たに採用したハンドガンPC356をベースにした9ミリ仕様の南部PC9を装備させ 国会へ突入させた.

 作戦は内閣全閣僚の身柄を拘束しあらかじめ用意した護送車に手足に施錠しロープで数珠つなぎにして座席につかせた.

 これは被告となったものが裁判所に護送される時の法務省の決まりにならっている.

 護送車にはC4プラスチック爆弾が仕掛けてあり状況次第では爆殺もやもうえないことになっていた.

 国会に精鋭部隊が突入したとき もう一つの部隊は警視庁を急襲して警視総監を拉致し総監にこの状況を理解させ もし警察が部隊に手を出せば警察官が精鋭部隊に抗すべくもなく一方的に警察官の犠牲者がでるだけで警察官に静観するよう命令することを藤原が説得した.

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