第二章 参観者の分類と権限

第四条 参観者階級制度(詳細)


【見習参観者】

 資格要件:入学前説明会参加

 参観可能範囲:校門から五メートル以内

 付与される徽章:白い目のピンバッジ


【一般参観者】

 資格要件:保護者

 参観可能範囲:教室後方の指定席

 付与される徽章:銅の目のブローチ


【準常駐参観者】

 資格要件:祖父母、親戚(届出済)

 参観可能範囲:廊下からの観察含む

 付与される徽章:銀の目のペンダント


【常駐参観者】

 資格要件:三年以上継続参観

 参観可能範囲:給食、清掃時間

 付与される徽章:金の目の腕章


【深部参観者】

 資格要件:審査通過者

 参観可能範囲:職員室、保健室、相談室

 付与される徽章:プラチナの目の指輪


【完全参観者】

 資格要件:十年以上の実績

 参観可能範囲:トイレ以外全域

 付与される徽章:ダイヤの目の勲章


【超越参観者】

 資格要件:理事会特別承認

 参観可能範囲:概念的領域を含む全域

 付与される徽章:「千里眼」の称号



第五条 参観者の装備規定


 参観者は以下の装備を携帯しなければならない。


一、公式観察手帳(A5サイズ、二百ページ、透かし入り)

二、計時器(瞬き間隔の自己管理用)

三、座布団(本校指定品、厚さ三センチ以内)

四、目薬(参観中の視力低下防止)

五、参観者証(首から下げること、写真は正面のもの)



第六条 参観者の身体規定


一、参観中は常に生徒を視界に収めていなければならない

二、瞬きは三秒に一回を上限とする(違反は「視線断絶」として記録)

三、居眠りは「参観放棄」として累積され、三回で資格停止

四、くしゃみ、咳は「観察中断」として〇・五回分の減点

五、あくびは「参観意欲欠如」として厳重注意



第七条 禁止される視線


 以下の視線は禁止される。


・散漫視――焦点の定まらない視線

・斜視的観察――横目での観察

・過剰凝視――特定の生徒を五分以上連続注視

・虚空視――生徒のいない空間を見つめる

・内省視――目を閉じて考え込む

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