静かに、じわじわっと怖いお話でした。
それは派手な恐怖ではなく「救われたはずなのに何かがおかしい」的な違和感がずっと残るタイプの怖さだと思います。
特に、悲しみが消えたのがよかったことではなくて、感じる力そのものが薄れているかもしれない、しかも本人はそれに気づいていない、というポイントにはゾッとさせられます。
最後の「喉が渇いてしかたない」は、心の空白を埋めるためにまた何かしら他の何かを取り込んでしまう予感がして、物語が終わっても世界が止まらない感じがあります。
これは、優しさの顔をしたシステムホラーだと思います。かなり心に「来」ます。