第11話:処刑人の決断と最初で最後の"告白弁当"

「そんなに好きなら、四人で一緒に住めばいいじゃない」


 母が発した言葉に俺は絶句した。ざわめく三人を抑えて「同棲は愛すべき人としかしない」ことを伝え、事なきを得た。



 学園に戻った俺を待っていたのは、かつてないほどの静寂と、校門に貼り出された一枚の掲示。 『生徒会長・氷室涼香、不祥事(不純異性交遊の疑い)により解任請求の是非を問う全校集会』


 ピクニックをしている際の動画が、悪意ある何者かによって全校生徒に拡散されてしまったのだ。 「会長……俺のせいで……」 「佐藤くん、顔を上げなさい」


 生徒会室。そこには、いつものように凛とした、けれどどこか吹っ切れたような笑顔の氷室会長がいた。 「私は、あなたに救われた。冷徹な『処刑人』として孤独だった私に、『美味しい』という感情と、誰かを想う温かさを教えてくれたのは、あなたの卵焼きよ」


 彼女は俺の手に、一通の封筒を握らせた。それは、彼女が初めて自分で書いた、俺へのラブレターだった。


「集会に行きましょう。佐藤くん、あなたの作った『最高のお弁当』を持って」

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