熟れない果実

すいかなえ

2018年〜2019年

雨宿り

まばゆい太陽に目を細め、男は雨がやんだことに安堵した。屋根の下で美しい婦人に声をかけられ、互いに惚れるような事もなく、ひとり雨音に耳を傾けて過ごした雨宿り。

男は赤い傘を手に取り、本来の輝きを取り戻した空の下を歩き出す。

去り際、もう声を発することのない彼女に頭を下げて。

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