放課後のかおり
桜羽ことり
プロローグ
第1話 入学式
靴箱で靴を履き替えると、すぐそこに人の集まりができていた。壁にクラス分けが書かれている紙が貼られているらしい。
240の名前の中から自分のものを探すのは時間がかかる。
『1年E組39番
(はぁ、ようやく見つけました。E組…3階ですね)
3階までのぼり、教室にはすぐ辿り着けた。
教室の中には半分ほどのクラスメイトが自分の席でくつろいでいた。窓際の自分の席に座り、鞄を机の横にかける。話す相手もいないので席に座ってホームルームの時間を待つことにした。
「おはよう…!」
そう声をかけてきたのは、前の席に座っている女子だ。茶髪に、赤に近い色の瞳。
「おはようございます」
「わ、私、
「矢野さん…私は、夜山薫といいます」
(緊張しているだろうに話しかけてくれました。矢野さん、とてもいい人なのかも)
「葵でいいよ、そのかわり私も薫ちゃんって呼ばせてもらっていいかな」
「わかりました、葵ちゃん」
「敬語もなくて大丈夫!」
「あ、わかり…わかった」
キーンコーンカーンコーン…矢野さん、改め葵ちゃんと話しているとすぐにチャイムがなり、入学式を迎えた。
…「新入生代表、挨拶」
教頭先生の声が響く。私は挨拶を任せられていた。
(新入生代表として挨拶しなければいけない。いつも通り、落ち着いて…。)
「春の息吹が感じられる今日……
……これからこの学校でたくさんのことを学んで、成長していきます。」
拍手が湧き起こる。
お辞儀をしてから、席に戻る。横のパイプ椅子に座っていた葵ちゃんに、
「かおりちゃん、挨拶すごくよかったよ」
と小声で声をかけられた。ああ、この人となら仲良くできる気がする。
無事入学式を終え教室に戻る。
「今日から君たちは高校生として……」
先生のお話は長い。
ふと廊下を見た。私たち生徒と一緒に帰ろうと、保護者たちが廊下で待っているのが見えた。
それと同時になにか良くないものが見えた。
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