『逃げろ岩倉 ~追放公家と脱藩志士の逃走劇~』は、教科書で「維新の功労者」として語られる岩倉具視を、“追われる側”の人間として描き直した、痛快でありながらヒリヒリと緊張が走る幕末逃走劇です ⚔️🌄
佐幕派から「奸賊」と糾弾され、朝廷からも追放され、さらには志士たちから天誅の対象として命を狙われる――そんな四面楚歌の状況に置かれた岩倉が、才谷梅太郎(坂本龍馬)とともに、夜明けを目指して洛中から洛外へと脱出を図る 📜🔥
この“逃げる”という行為が、単なる敗走ではなく、未来へつなぐための選択として描かれている点がとても印象的でした 🏃♂️💨
また、本作の魅力は歴史人物を“偉人”としてではなく、恐怖し、迷い、時に情けなくも生き延びようとする一人の人間として描いているところにあります 🌙🚶♂️
岩倉も龍馬も、正義のヒーローではなく、それぞれの信念と打算と恐怖を抱えた「同じ時代を生きる人間」として立ち上がってくる。その人間臭さが、幕末という混沌とした空気と相まって、とても生き生きと伝わってきました 🏯⚡
最終話では、岡田以蔵との対峙が物語の緊張を最高潮に押し上げ、“逃げ延びることが未来を変える” というテーマが鮮やかに浮かび上がります 📚🌟
どこかで顔を見た記憶があるけど、どうしても思い出せない人。日本史の教科書で名前を見たはずなのに、具体的に何をやった人なのか説明しろと言われると言葉に詰まってしまう人。Wikiで調べても、今一つ何やってたかピンとこない人。それが、本作の主人公・岩倉具視です(※個人の感想です)。あ、五百円札の人でしたか。
彼は幕末の動乱の最中、クビになった挙句京都から追放されるという目に遭います。
今流行りの追放モノだと、追放された側がなんかいろいろやって大逆転、追放した側は後悔するが後の祭り、という展開らしいですが、今から百六十年くらい昔のリアル日本における追放モノは、まず命の危険が段違いです。不逞浪士という名のやべー連中が、日本刀のようなモノで襲ってきますから。
そんな絶体絶命の危機にある岩倉のもとに、謎の浪人がやって来ます。飄々とした、不思議な雰囲気のその男は、岩倉の逃避行を助けることに。果たして、謎の浪人の正体は?
この浪人、私も実際に会ったことはありませんが、確かにこんな感じだろうと納得させる解像度の高さは、さすが四谷軒氏。岩倉と彼のやり取りは、男たちが己の信条に命を懸けて奔走した時代を映し出す、必読の会話です。幕末を舞台にした歴史短編、どうぞお楽しみください!