転生した大魔王は学院にて教師として生徒を導く。そして人生を謳歌する

@junjun958958

〜プロローグ〜八千年前の大魔王と勇者

俺の名は、大魔王ゼクア.ヴァルファレッド八千年前から転生した者だ。かつて俺はアルディア世界の魔族の王として君臨し幾多数多の宇宙や世界から魔族を守る為に戦ってきた者だ。


  俺は、歴史上では勇者ユニアとの戦闘に敗れたとされている。だが、それは事実ではない。今から正しき歴史を話そう。


  そして、これは八千年前の話だ。


  俺はアルディア世界のガメリア街に存在する大魔王城にたった一人で攻めてきた勇者ユニアと戦闘を繰り広げていた。勇者ユニアは全身傷だらけだ。大魔王ゼクアは傷一つすらない。実力差は明白だ。


  突如として、勇者ユニアが金色の魔力が纏う。


「ん?!!なんだ?この魔力!!先程とは、別次元のようだな。勇者ユニアよ!これ程の力を隠していたとは...」


「これから、死ぬものに説明なんて不要だと思うが???」


「やってみせよ。人間を束ねし勇者ユニア。人間の力を見せてみよ」


  金色の凄まじい魔力を全身に帯びた勇者がゼクアを冷酷な眼で見下ろしながら脚元に魔法陣を展開させた。展開された魔法陣からは、幾多数多の魔法や魔剣を知り尽くした俺ですら知らぬ未知の魔剣が召喚された。


  召喚された魔剣を力強く握った勇者ユニアはこの俺です見切れぬスピードで背後をとった。


「流石にこれは避けられんな...」


  背後を取った勇者ユニアは般若の形相で言った。


  「人間たちの憎しみと怒りを解くと味わえ!大魔王ゼクア!!!!」


  そして、ゼクアの脳天に魔剣を振り下ろされる。


≪「勇神剣第三奥義」「勇縁断牙!!」≫


  振り下ろされた、その一撃は今までの争いで命を落とした人間たちの怒りと思いが乗った凄まじい一撃


  そして、背後から脳天から背中に「勇縁断牙」を喰らった大魔王ゼクア。背中から大量の血を流し、頭と口から血を流した。


「っ....!!」


  幾多数多の宇宙が滅びるほどの魔法を喰らっても傷一つ付かぬ俺に傷を負わせるとは......中々やるな....


「勇者ユニア、一体何をしたのだ?」


「俺は、自分の命を犠牲にしその技を放った。お前を殺せると思ったが、殺せなかったようだ」


「どうやら俺たち人間の負けのようだ....無念だ」


と勇者ユニアは呟きその場で力無く倒れた。


どうやら勇者ユニアの決死の最後の魔法だったようだ。そして俺は、勇者ユニアを讃えた。


「命を犠牲とする魔法、中々の威力だったぞ?」


    人間にも居たのだな....


    我欲に支配されず....


    自分の命を犠牲にしてでも....


    仲間を守ろうとする者が....


  「お前はまだ死ぬのには早すぎる。そんなお前にはやってもらいたいことがある....」


ゼクアは確かにそう言った。


意識が遠退きながらも聞こえた。


  ユニアは死んだはずだった。


奴との圧倒的名実力差によって。


突如として遠のく意識が戻ったのだ。


眼前には敵のはず大魔王ゼクア。俺に蘇生魔法かけていたのだ。


  「大魔王ゼクア....敵の俺を助けるとはどういうことだ...」


   蘇生魔法をかけながら大魔王ゼクアは勇者ユニアに言った。その表情は誰より優しく包み込むようなものであり何処か寂しそうな表情にも見えた。


    「お前に提案がある」


    「それは、和睦だ」


自身が戦争で亡くした者たちを思っての言葉。


その眼には悲しみに満ち溢れた涙。 


   勇者ユニアは大魔王ゼクアの悲しみに満ち溢れた表情を見て言った。


「 俺も争い辞めたいのは積の山だ!だけど、世界はそんなに単純じゃない!仮に俺がお前との争い辞めたとしても!俺たち人間は必ずお前を殺そうとするだろう!」


  大魔王ゼクアは勇者ユニアにまるで父親、母親のような暖かみを感じる口調で言った。


「そうだな。お前は今言ったな?俺を必ず殺す者がいると。ならば今、此処で俺はお前に殺されるにことにするよ」


   勇者ユニアはその発言に驚きを隠せなかった。


   どの種族よりも最強に相応しい魔族。その中の圧倒的な力を持つ王。大魔王ゼクアが命を捨てると言ったのだ。


   勇者ユニアは大魔王ゼクアに問う。


「何故、お前が死のうとするのだ!?」


「俺がいるから人間は魔族を恐れ侵略し魔族を殺す。そして戦争へと発展し、領地を侵略し略奪もするのだろう」


「だったら、魔族の王として争いの責任をとり俺は死ぬとしよう」


「そんなの、お前の何千、何万の配下が許さんだろ???」


「大丈夫だ。そのことは俺の配下には伝え済みだ。次、勇者ユニアと戦うことになれば俺は奴に殺されることにするとな」


  まぁ、あれだけの配下の数だ。説得に時間はかかったがな......


  勇者ユニアは、大魔王ゼクアの発言に対して反論した。


「だったら!両者とも互いの配下の前で自害すればよくないか?」


  だが、その反論に大魔王ゼクアは首を横に振り拒絶した。


「な!何故だ!お前だけが死ぬのは不公平だろ?大魔王ゼクア....」


「俺は、魔族を守る為とはいえ幾多数多の宇宙、世界、そしてお前たち人間を殺し過ぎた...当然の報いだ」


  「だからこそ、俺を殺して英雄となれ」


 「それに死ぬとは言ったが転生しないとは言ってないぞ。勝手に未来永劫、殺すな。話を最期まで聞けユニア」


「さぁ、ユニア、俺の心臓にその魔剣を貫け。お前の魔剣は対魔族殺しの魔力が秘められている。俺は防御もしない。突き刺すんだ...」


  そして、勇者ユニアはゆるりと立ち上がり魔剣に自身の魔力を流し込む。大魔王ゼクアは自身の心臓を刺された時に自動的に転生するように高度な魔法陣を組み込んだ。


 そして、大魔王ゼクアは勇者ユニアに言った。


   「転生の準備は完了した。心臓を突き刺せ...」


  心臓に魔剣を突き刺す....勇者ユニア


  突き刺した瞬間、勇者ユニアの顔面に激しく鮮血が飛び散る。そして大量に流れ出た鮮血が俺の足元に滴った。


  俺、大魔王ゼクアは勇者ユニアに転生する直前に言った。


   「次、会う時は敵ではなく友人として....」


 そう言い残して大魔王ゼクアは八千年後のアルディア世界に転生したのであった。

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