僕の最初で最後の夏休み

天月黒

第1話

目の前には、

綺麗に緑に色づいた稲穂。

うるさい程の蝉の羽音。

カラスの鳴き声。

オレンジ色の空。

ただ一人の僕。

 

 僕は、この田舎が大っ嫌いだ。

何かをすれば気持ちの悪い顔で物を言ってくるくそばばあ。

無闇矢鱈に干渉して、口を挟んでくる。

学校から下校していれば僕の名前を大声で呼ぶ。

気持ちが悪い。

個人情報って物知らないのかよ。

 

 先祖祭りの時もそうだ。

ゆっくり静かにご飯を食べたいのに、もっと食べたらとか、飲み物飲まないの?とか

タイミングがあるんだよ。

てか、親とか、本当のおじいちゃんおばぁちゃんでもないのになんで干渉してくるんだよ。

食いたかったら食うし、

飲みたかったら飲むわ

 

ほんとにうざったらしい。

憎らしい。

殺したい。

 

 そんな僕は、この夏休み。

ほぼ毎日寝て、

漫画をしわくちゃになるまで読む。

それしかしていない。


でも幸せ。

 

 なのに、なのにだ

 

網戸を開けて、僕を呼ぶ

勝手に網戸開けてくんなよ。

 

 そんな毎日が嫌になった。

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僕の最初で最後の夏休み 天月黒 @amatuki_

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