第4話 4.森の国編 ヴェルトゥール王国戦記開幕
ラムドール大陸歴1059年、緑の国の主城が
大崩壊したその年に、アルフレート・フォン・エスターライヒは、
この世界に生を受けた。
伯爵家エスターライヒの長子であり、神に祝福されし者であった。
アルフレートは、幼少の頃より、様々な物に興味を持ち、
活発な少年であった。
神童とは言えないまでも剣術、魔術、勉学とそれなりに
優秀な成績を収める秀才タイプであった。
周囲の期待を背にすくすくと成長していた13歳の夏、
少年は突然の高熱を発し、数日間、生死を彷徨っていた。
少年は、意識を失っている間、膨大な量の夢をみていた。
そして、誰かに何かを弄れている感覚に囚われた。
基本能力SSR?審美眼?観察眼?合成?魔術親和性大?
4大元素基礎魔術習得?弓特化?
聞きなれない言葉が脳に溢れかえり、理解が追い付かないまま、
彼は、意識を繋ぎとめることができず、意識を失った。
「アルフレート様がお目覚めになったぞー」
使用人の一人が瞳を開いたアルフレートを見て、
感動のあまり叫んでいた。
彼は、アルフレートの寝室を飛び出し、
医師、薬師、僧侶たちの一団を呼びに向かった。
彼等は急ぎ、アルの体力の回復に努めた。
彼の瞳には力がなく、そして、言葉を発しなかった。
一団は、診察し、粗方の処置を施すと、
病の峠は越えたと判断し、一人のメイドを呼び、看護に付かせた。
「マリア、アルフレート様は、お主になついておった。
傍にいてやれば、心身共におちつくであろう。
することは、汗を拭く程度よい」
マリアは、深々と頭を下げて、
再び瞳を閉じたアルフレートの方を心配そうに見た。
「ううっ」
アルフレートはうなされているのだろうか、
呻き声をたまにあげていた。
額の汗をマリアが拭うと、少し落ち着きを
取り戻したように思えた。
そんなことを何度か繰り返えして、
深夜の刻に差し掛かった頃、アルフレートは目が覚めた。
深みのある青い瞳のまわりが黄色く濁っていた。
「アルフレート様、お機嫌はいかかでしょうか?」
マリアが額の汗を拭いながら、尋ねた。
「はぁはぁ、はぁはぁ、マリア、ここから、逃げ、ろ」
アルフレートは、苦しそうに言葉を紡いだ。
「はっ、はやくさ、れ」
アルフレートは、自分を押さえつける様に
両腕を組み、全身、汗まみれになっていた。
「アルフレート様?いかがいたしましたか?」
マリアは慌てて、彼の汗を拭った。
そして、人を呼びに向かおうとベッドの側から
離れようとした。その瞬間、アルフレートが吠えた。
マリアの右腕を掴み、ベッドに引き入れて、
押し倒した。
それは、13歳の力では無かった。
アルフレートは彼女を押し倒すと、服を引き裂き、彼女を蹂躙した。
「いやっ、お願いです、やめてください」
その声を聞くと、アルフレートの端正な顔立ちは、
醜く歪んだ。
そして、押さえつけるその膂力は、13歳のもではなく、
マリアを逃さなかった。
朝方までマリアを蹂躙、堪能し、己の欲望を満たすと、
アルフレートは、改めて睡眠を取り始めた。
昼頃、エスターライヒ邸の庭園から、
若く素朴だが美しい娘の死体が発見された。
服毒自殺のようであった。
近々、式を挙げる予定で自殺の原因は不明であった。
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