30話目

 私は嘘吐きだ。


「あんたなんて嫌いよ」


「私も嫌い!!」


 嫌った事なんて一度もない癖に、そうやって嘘つく。


 彼女はそう言って、私の親友に本を借りる。


 すると彼女は親友に嬉しそうにした後、私の方を見て、舌を出して挑発する。


「チッ」


 わざと舌打ちをすると、彼女が私をシカトして踵を返す。


 その背中を見つめながら、親友は言う。


「お互い好きな癖に、懲りないねぇ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る