生きる意味
柳上 晶
第1話
あるところに ひとりの男の子がいました
その男の子は とても死にたがりでした
「ぼくは生きてていいのかな」
生きる理由を知らなければ 死ぬ理由も知りません
それでも 死んでしまいたいと思いました
ある日 男の子は火を使って死のうと思いました
そこに 一人の男の子がやってきました
「バーベキューをやるの?ぼくもまぜて!」
男の子二人は いっしょに バーベキューをしました
おにくと やさいと さいごはマシュマロを焼いて
「ごちそうさま」
二人は わかれました
男の子は死ねませんでした
またある日 男の子は海におぼれて死のうと思いました
そこに 一人の女の子がやってきました
「いっしょにおよぎましょ」
二人は 海であそびました
およいで もぐって すなはまに山を作って
「またいっしょにあそぼうね」
二人は わかれました
男の子は また 死ねませんでした
また また ある日 男の子ははものをつかって死のうと思いました
そこに 一人の 大人がやってきました
「りょうりをするのかい?一人だとあぶないから、手伝わせてよ」
二人はいっしょに りょうりをしました
ぐつぐつ トントン できあがり
「上手にできたね」
二人は わかれました
男の子は またまた 死ねませんでした
さいごの日 男の子は 首をつって死のうと思いました
しずかなへやの中 もう 止める人はいません
ひとおもいに 地面から 足をはなしました
ブチリと 音が 聞こえました
男の子は地面にねていて そこにネコがやってきました
「いのちをそまつにあつかうなんて、もったいない!」
男の子は気づきました
今まで止めてくれた人がいたのは めぐまれていたからだと
ネコをなでると フワフワしていてあたたかかった
「生きる理由がないのなら、わたしを育てることを理由にしなさい」
そうだね としずかなへやにとどいた声に ネコはニャアとこたえた
生きる意味 柳上 晶 @kamiyanagi177
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