冒頭の死に際から転生後の目覚めまでが非常に端正に描かれており、武士としての生き方がそのまま異世界へ持ち越される構図に強い惹きがあります。
「悪役令嬢」という定番設定を、価値観のずれと礼節によって反転させ、行動一つひとつに説得力を持たせている点が印象的です。
侍女リゼや父、王太子とのやり取りを通して、過去の悪行と現在の人格が静かに対比され、人物関係の変化が丁寧に伝わってきます。
派手なざまぁや逆転に頼らず、「詫びる」「耐える」「向き合う」という選択で物語を前に進めている点に独自の味わいがあります。
武士の倫理観が芯として一貫しており、転生後の世界をどう生きるのかを見届けたくなる導入だと感じました。