『幕末武士のおっさん、異世界で悪役令嬢に転生候~武士道とは死ぬことと…いや、生きることと見つけたり?~』、これは見事なり。
幕末の武士が、よりにもよって悪役令嬢に転じるとは奇想天外。されど、その内に宿るは紛れもなき武士の魂。礼節を重んじ、義を通し、己の信じる道を歩まんとする姿、実に潔い。たとえ姿かたちは変われど、心まで変わるものではないと、しかと示しておる。
また、“死ぬことと見つけたり”に囚われぬ、新たな武士道を模索するくだりがよい。ただ斬って捨てるにあらず、生き抜き、守るためにこそ刃を収める——その境地、まことに時代を越えたる覚悟と申そう。
奇抜な設定にあぐらをかかず、筋を通す物語。笑いの裏に、一本芯の通った義がある。
うむ、これは良い。読めば心が引き締まる一作よ。