大きな生きもののたまご

雨世界

第1話 命って不思議ですよね。

 大きな生きもののたまご


 命って不思議ですよね。


 そこは真っ白な部屋だった。

 大きな空間のある丸い形をした部屋で、その部屋の真ん中にはとっても大きなたまごがあった。

 とても大きい。

 いったいどんな生きもののたまごなんだろうって思いながら、私はうえを見上げるみたいにして、その大きなたまごを見ながら、ゆっくりと丸い部屋の大きなたまごの周りにある丸い道のようになっているところを歩いていた。

 大きなたまごはどきどき内側がぼんやりと美しい橙色の光で満たされるようにして輝くことがあった。

 そのときにはその大きなたまごの中で丸くなっている不思議な形をした大きな生きものの赤ちゃんのすがたが影のようになって、見ることができるようになった。(その大きな赤ちゃんの影を初めて見たときにはびっくりして、それから『とっても不思議な気持ちになって』、なんだかとっても心臓がどきどきした)

 丸い部屋の中を半分歩いたときに(入り口からちょうど反対側のところ)そこに白いベンチがあって、その白いベンチには一人の白衣を着ている綺麗な少女が座っていて、そこからじっと大きなたまごを見つめていた。(とても真剣な顔でたまごを見ていた。私のことにも最初は気がついていないみたいだった)

 大きなたまごがまたぼんやりとした橙色の光で満たされるようにして、輝いた。

 大きな赤ちゃんの影がほんの少しだけ、大きなたまごの中で動いた。(私はとっても驚いた。少女もとっても驚いたみたいだった)

 そのときになって少女は私に気がついて、はっとしてから私を見て、驚いて(誰もいないと思っていたみたいだった)恥ずかしそうにほんのりと顔を赤くしながら、ゆっくりと白いベンチから立ち上がった。

 私は少女のところまでゆっくりと歩いていった。

「こんにちは」

 少女が花が咲いたように笑ってそう言った。

「こんにちは」

 同じように笑って、私は言った。

「あの。いま、動きましたよね」

 と少し興奮しながら、嬉しそうな顔で少女は大きなたまごを見てから、私を見てそう言った。

「はい。動きました。びっくりしました」

 私は少女と同じように大きなたまごを見てから、少女を見てそう言った。

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