路上占い、あれこれ157その2祝い【占い師は女子大生と】
崔 梨遙(再)
あっさりスッキリ 1241文字 です。
僕は当時、30代の前半から半ば。女子大生の千夏は21歳。これはどう思われるだろう? 年下が好きな男性から羨ましがられるのだろうか? 年上が好きな女性から見たらいい感じなのだろうか? でも、年上と付き合うことが多かった僕からすれば、違和感があり過ぎた。千夏のことは好きだった。しかし、それは多分愛じゃない。好感と情だ。
だけど千夏は過去に2回、ヤリ捨てにされている。それは千夏のトラウマだ。そんな千夏が選んだのが僕。『崔さんなら信じられるから』、と言ってくれる。僕は千夏を裏切れない。
時々、週末に路上で占いをしていると、千夏が友達を連れてやってきた。
『頑張ってる?』
『いつも通りや』
『この子、友達やねん、無料(ただ)で占ってあげてや』
『まあ、そのくらいならええけど』
『へー! 千夏の彼氏ってほんまに占い師なんやね、カッコイイ!』
『ふふーん、カッコイイやろ?』
『平日は営業やってるがな』
『まあまあ、今日も部屋に行くから』
『はいはい、待ってます』
やっぱり千夏は裏切れない。
そんなある日、僕の目の前に色気がある感じの美人が座った。千夏と同じくらいの年齢だろう。スタイル抜群、胸は充分あるのに、ウエストは引き締まっている。抱き心地が良さそうだ。だが、若い。僕が付き合ってきた30代や40代の美人元カノの方が色気はある!
『今日は何を占いますか?』
『うーん、じゃあ、私とあなたの相性』
『わかりました……はい、相性はいいですが、これは男性に有利な卦です。何故かわかりませんが僕の方が強い立場みたいです』
『そうなんやぁ、じゃあ、今日はお兄さんの言う通りにしようかなぁ。私に何をお望みですか? ご主人様。私はあなたの言うことをききますよ』
『何も望みません』
『なんでも言うことききますよ。ホテルにいきませんか? ついていきますよ』
『あなたはすごく魅力的な女性です。ですが僕には恋人がいます。恋人を裏切れません』
『わかった、じゃあね』
マンションの部屋に帰ると、ハイテンションの千夏が待っていた。
『崔さん!』
『なんなん? いきなり抱きついて』
『今日、浮気しなかったでしょう』
『浮気はしてへんけど、なんなん?』
『今日、あなたをホテルに誘った女がいたでしょう? あの子、私の友達やねん』
『試した? 僕を試した?』
『うん、ごめん! でも連絡きたで、『恋人がいるから』って、断ってくれたんやろ?』
『うん、断った』
『私、それが嬉しいねん。試してごめんね』
『まあ、そのくらいええけど』
それから少しして、千夏が僕の部屋に来なくなった。メールのやり取りはあったので、状況はよくわかっていた。サークルの先輩から告られて、返事に困っているらしい。
そして、久しぶりに千夏が僕の部屋に来た。
『ごめん、今日はお別れを言いに来た』
『先輩と付き合うの?』
『うん』
『ということは、千夏の心の傷は癒えたということやな? もう僕がいなくても大丈夫やね?』
『うん』
『ワインでも飲もう』
『なんで?』
『今日は悲しい別れの日じゃないよ。千夏が僕から卒業できた、お祝いの日やで』
路上占い、あれこれ157その2祝い【占い師は女子大生と】 崔 梨遙(再) @sairiyousai
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