【お題フェス「天気」】宇宙(そら)の運び屋は、天気に悩まされる
角山 亜衣(かどやま あい)
リリスの様子が変?
エルラド星系:第四惑星・エルラドⅣ 近郊──
「ふぅ~、今回も無事に到着できそうね」
『【晴れ】はい! マスター。
宙賊に絡まれることもなく、無事到着できそうですね♪』
あたしは、セレスティナ・エシュタール。
AIの相棒リリスと、“貨物船レムリアス”を駆って宇宙の運び屋をやってます。
荷物を積み込んで、目的地が目前に迫ったところで、
突然、リリスの言動がおかしくなった。
「毎回このくらい平和だと助かるんだけどなぁ~」
『【曇りのち雨】マスター……、私の手助けは、もう必要ないと……
私がいなくても、やっていけると、そう仰りたいのですか?(シクシク)』
「はあ? ちょ、ちょっと、どうしちゃったのよ、リリス。
あなたが必要ないなんて、あたしひと言も……。
それに、さっきから何なのよ? 晴れだの曇りだのって、それは」
『人間は、その時々の感情を【天候】で表現することがあるのですよ、マスター』
「し、知ってるわよ?
過去の記憶を無くしているけど、そういうのは覚えているものなのね」
『私は今、【天候】を用いた感情表現を学習しているところなのです』
リリスってば、そこいらのAIよりも、ずっと優秀なんだけど、
たま~に、変なことやりだすのよ……。
「何を始めたのかと思えば、くだらないわねぇ~(ケラケラ)」
次の瞬間、艦内の照明が明滅を始めた。
【ゴロゴロゴロゴロ……ビカッ!】
『【雷雨】「くだらない」とは聞き捨てなりませんね! 撤回を求めます!
今スグに! さあ!!』
【ビカビカッ! ゴロゴロゴロゴロ】
「うわっ、コワっ、わ、わかったわよ! ごめん! ごめんってばぁー!」
まったく……面倒くさいこと始めたわねぇ。
「ほら、そんなことより、もう大気圏入るわよ」
『……………………はい』
「リリス? 準備できてる?」
『……………………はい』
「なんか、急に冷たい対応になってない?
あ、わかった! 【雪】降ってるんでしょ?」
『正解です、マスター。どうです? この感情表現は』
「いつまでもバカなことやってないで、ほら、もう雲を抜けるから。
着陸準備!」
【ゴロゴロゴロゴロ……ビカッ! ドッガシャーン!!】
「ちょ! ちょっとー! いい加減にしなさいよ!
船揺れてるじゃないの!」
『マスター、それは私ではありません。
天候チェック……、……、
このエリアは現在、激しい雷雨に見舞われています』
「ぇえ!? 雷、当たったんじゃないの!?」
『宇宙港のあるエリアまで行けば、大丈夫です。
現地は晴れています』
・
・
・
エルラド星系:第四惑星・エルラドⅣ 宇宙港──
「ふぅ~、一時はどうなるかと思ったけど、無事に降りられたわね」
『マスター、三時方向をご覧ください』
ん?
激しい雷雨が通過したあとの宇宙港の空には、
雲の切れ間から幾筋もの光のカーテンが垂れ下がり、
幻想的な光景が広がっていた。
その奥には、淡い七色のアーチが浮かんでいる。
「わぁ~虹だわ! あんな大きな虹、初めて見たかも……素敵ね」
『【虹】マスター、報告があります♪
さきほど雷の直撃に遭い、貨物室内で出火。
積み荷に甚大な被害が出ております』
「……………………はあ?」
『【虹】積み荷に甚大な被害が出ております』
「なにを爽やかに言ってるのよ! 大惨事じゃないの!!」
『【雨】鎮火は完了してます……マスター』
<了>
お付き合い頂きまして、ありがとうございます。
本編の方も、応援よろしくお願いしまーす☆彡
『宇宙(そら)の運び屋は、あなたの想いを届けます』
【お題フェス「天気」】宇宙(そら)の運び屋は、天気に悩まされる 角山 亜衣(かどやま あい) @Holoyon
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