Aはしばらく状況を知らなかったが、全員引いていた。─増田大地

【著名タレントA】はある日突然僕の前にやってきた。それはいつもの仕事帰りで仕事が終わり、会社の駐車場へ向かっていて、自分の車で帰ろうとしていた時のことだ。

 彼は突然僕の目の前に現れると何の前触れもなく僕をピストルで撃った。僕はAが目の前に現れた時点でああこういうことをやってくるんだろうなと思ったので、タマを右手で受け止めて撃たれたふりをして倒れた。実は安物の拳銃くらいならうまくやれば手で掴める事を知っていたので僕はうまく手でつかんで当たって死んだふりをした。Aはなぜか異常なまでにキレており、チッというとその場を去っていった。僕はしばらく死んだふりをしていた。

“はーい、OKです。”【有名実業家B】の声がした。予想通りだった。隠れてカメラスタッフがこれを撮っており、生中継でTVとつながっていた。僕は“おつかれ様です”と言って、“いや、すいませんね、皆さん。遠いところからわざわざこんな短い中継のために来ていただいて。”と言った。“TVマン魂ですね”その頃、TV中継は終わり、スタジオはざわついていた。Aはしばらく状況を知らなかったが、全員引いていた。


増田大地

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