増田大地の怪文書を共有します
c8v8c
概要と総括──注意書きを含みます
どうも、c8v8cです。
今回は、半ば私小説、半ばエッセイという形で、私のもとへと突如舞い降りた珍妙な怪文書について、情報を共有しようと思います。
まず、文書についての概要です。
入手日は、2026年1月3日、日曜日の午前九時頃。場所は静岡県磐田市、自宅から
三が日の冷たくも温かい風に包まれていた私は、未だ眠い意識を必死に働かせ、封筒を手に取ります。しかし、宛名等は1つも書かれていません。裏面を見ても、微妙に皺のついた茶の無地があるだけです。そこで、私は一息ついてから、中を覗いてみました。外観がまったくの無地な時点で、はあ、と一瞬疑問には感じました。ですが、封筒ですから、外になにも書かれていないのなら、誰でも少しは覗いてみたくなるものです。これが、封筒ではなく、道端に紙がありのまま落ちていたのなら、私もわざわざ拾おうとはしなかったでしょう。
そういうわけで、封筒には、A4が二枚、B4が三枚の、計五枚の紙が入っていました。いずれにも、大学ノートの罫線が縮小されてコピーされており、その全ての用紙に隅から隅までびっしりと、黒く、達筆が過ぎる文字が印刷されていました。文章はノートのページごとに大まかにまとめられているらしく、すべてではありませんがほとんどのページの最後に、「増田大地」という名前と、例えば「2025,9,25」などと日付が添えられているところを見るに、日記のようです。
宛名のない封筒。無骨な紙を埋め尽くすミミズのような文字。そして、封筒から文書を取り出したときにちらっと見えた、「セックス」という言葉。──間違いない、これは怪文書だ。一度もそれに出遭ったことのなかった私ですが、流石に確信しました。
とても初詣をする気分ではないです。文書を封筒にしまい、辺りを見渡して、ストーカーがいないかを確認します。そして、封筒に盗聴器の類いが仕掛けられていないことも入念に確かめると、私は封筒を手に、歩を戻します。持ち帰ることにしたのです。
帰宅して、文書を読む前に、パソコンを開きます。元より怪異や都市伝説に興味のある人間ですから、もしや名の知れた怪文書なのでは、そう気になったのです。いや、むしろ、文書の内容よりもそっちのほうが私にとっては重要でした。ついに私も、そういう世界に触れることができた。興奮が抑えきれません。立ち上げの僅かな時間が大変もどかしく感じました。解錠のための暗唱番号を入力し、ブラウザで、「怪文書 増田大地」と検索をかけます。
結果から言って、名のある怪文書ではとてもありませんでした。しかし、数名、私の見つけたものと同じような「増田大地の怪文書」を入手したと語っている人間がいました。彼らはみな静岡県に住んでいて、茶封筒は、それぞれ自宅や会社のポストに投函されていたところを見つけたようです。私はポストではなくアスファルトでしたが、おおかた、どこかのポストに投函されていた封筒を誰かが見つけて、その誰かが不気味がって適当に捨てたものを私が拾った、という経緯でしょう。ともかく、静岡県という共通要素がある以上、私の持っている文書は、彼らと同じ「増田大地の怪文書」である可能性が高いです。
以上をもって、その日は寝に入りました。まだ名の知られていないものであるとはいえ、都市伝説のようなものの欠片に接触でき、満足したからです。
翌日、時間的に昼食と融合した朝食を食べ、絶賛Fateコラボ中のコンパスをしていると、ふと、思い出しました。そういえば、怪文書、読んでなかった。ついでに初詣に行きそびれたことも思い出しますが、やることリストは1つずつ消化していこうと思い、まず、昨日パソコン前に置いたままにしていた茶封筒を手に取ります。
そして、文書の内容に、吐き気と苛立ちと興奮が沸いてきたのです。
内容は、全体的に、日本の芸能界への陰謀論、と言うべきものです。
偏見を通り越した、「そうであってほしい」という願望であるそれは、実在する人名や団体名を使っただけのただの小説と言っても過言ではありません。それほどに現実離れした語りです。本当に、願望と表す以外に適切な言葉がないので、もはや、七夕で短冊に書くあれを徹底的に長くし、さらにエッセイのような形式で書き直した、おぞましいなにかであると、私は捉えます。
差出人をあえて犯人と呼びます。理由は単純明快で、いまやネットで一度でも誹謗中傷をしたら前科がつく時代、であれば、この怪文書はなおさらのことではないでしょうか。一刻も早く、増田大地という犯罪者を日本社会から追放したい。今回、文書の内容を原文ママで投稿しようと決意したのは、そういう願いがあってのことです。
増田大地の怪文書を入手したと発信している人間はこれまでに数名いても、その内容を正確に発信している人間は、私の調べた限りでは見当たりませんでした。というのも、私は少し納得していて、実はこの文書は相当な達筆なので、余程強い好奇心がなければ読み解こうとしないのが普通だと思います。私は、会話型生成AI(Gemini Pro)を補助的に利用し、六時間の格闘の末、計五枚に渡る全文のほとんどを読み解きました。ええ、暇です。私の三が日の集大成を、そっくりそのまま、皆さんにお見せいたします。
ただし、さすがに百パーセント原文ママでは、私もその誹謗中傷の加害者になってしまいます。よって、公開に当たり、人名や団体名、その他それらが安易に特定できるような情報は、例えば【人名A】や「●●年」などを使って、処理をしています。それらの処理をしても内容的に誹謗中傷に当たりそうなページに関しては、恐縮ですが、今回は該当部分を省いたり、場合によってはページごと公開を中止したりしています。もし、処理が甘かったり、処理をしてもこれは誹謗中傷に当たるとお思いになられた読者の方がいましたら、気兼ねなくコメントしていただければ、できる限り迅速に対応いたします。
さて。
以上が概要となりますが、ここからは、文書をすべて読破した私個人による総括を簡単に語っていきます。個々の話に対しての考察となれば、また別の角度から説明できるところもありますが、結局、今から言うことがほぼ結論で間違いないと思っています。
シワシワの茶封筒。
大学ノートをコピーした、大小不揃いの紙。
日記調のある程度に連続した記述。
趣向の偏った物語や登場人物。
憶測や陰謀論ですらないような完全なるフィクションの話。
多少の筆跡の違いはあれど、すべての記述は同じ字、語彙(「こと」をすべて「事」と書いていたり、「とても」を使わずに「かなり」を多用していたり)で書かれている。
以上から私は、この怪文書は、誰かの夢日記ではないかと推測します。
その誰かをプロファイリング的考えをもって絞るなら、前述したとおり芸能界についての記述なので、芸能関係者、もしくは華やかな芸能界に深い憧れまたは嫉妬心を持った人間でしょう。加えるなら、記述の内容から、歳は最低でも五十以上、性別は男、そして、怪文書には増田の妻や子供が一切登場していないため、独身の可能性が高いです。さらに、その特徴的な被害妄想は、統合失調症でよく見られる陽性症状に合致します。なので、犯人は精神疾患を患っている、あるいはそれに近い精神状態であると推測します。
仮に警察が犯人を捜すとしたら、監視カメラの情報とともに、是非、この資料を活用していただきたいものです。もっとも警察は、こんな実害の極めて少ない事件など、一ミリも相手にしないでしょうが。
これで、概要、および総括を終わります。
最後に、注意書きです。
何度も言うように、あくまで私は、犯人(差出人)は捕まるべきというスタンスです。
もちろん、オカルト好きが高じてしまった部分もあるかもしれません。ですが、私の共有したい事柄は、世の中には常軌を逸した人間がまだまだ潜んでいるという一種の警報であり、それを無闇に楽しんだり拡散したりということでは決してありません。ましてや、怪文書の内容に一部でも賛成することは絶対にあり得ません。
皆さんにお見せするのはすべての固有名詞を伏せた状態のものですが、実際は、あの人やあの人など、誰もが知っている実在の人物が堂々と書かれています。最大限の配慮を払ったつもりですが、私も一人の人間です。倫理的な方面の判断は、私一人ではどうしても甘い部分があるかもしれません。そもそも、いくら差出人不明の迷惑極まりない怪文書とはいえ、他人の書いた文章を本人の許可なくカクヨムに投稿して良いのかという問題もあります。少しでも誠意が伝わればという思いで、広告は剥がしていますが、まあ、あってないような工夫です。
ですが、それらも含めて、これは実験であると私は考えています。
これで、私の倫理観の過小が問われたり、著作権を詰められたりしたら、当然私は本投稿を消しますし、場合によってはアカウントごと消去するでしょう。消去せざるを得ない、ではありません。少しでも非倫理的だと言われたら、他人にどれだけ止められようとも、自らの意思で消す。それほどの覚悟で現状はいます。
しかし、もしそうならなかったら、そのときは怪文書が娯楽として世間に受け入れられたということです。もしくは、すべて私の創作で、最初から怪文書なんてなかったのだと思われたかのどちらかです。この総括も含めたすべてが私の妄想なら、倫理観や著作権の所在は、まったく議論になり得ませんから。
もちろん、これは私の妄想ではありません。再度になりますが、私以外に増田大地の怪文書を受け取った人間がいることは、ネットで検索してみれば簡単に分かります。ひょっとして、検索した結果、このページへと流れ着いた人もいるのではないでしょうか。それはそれで、少しロマンがあっていいものです。
以上、色々と語りましたが、読者の皆さんに気をつけてほしいことは、究極的には1つだけです。
思いやりをもって、読みましょう。
ネット上の乱暴な会話劇ではなく、現実の、生身の人を相手にしているときのような温かな心と余裕をもって、読み進めていってください。
「増田」とはネットスラングで、「匿名」を意味します。匿名とは、名を隠すという意味で、私はそれを、名を隠してまで主張したい事柄があったのだと、そういうふうに捉えています。怪文書それ自体におぞましさを感じても、それを書いた人間の性格や価値観までを無責任に否定してはいけません。
読むのに難すぎる達筆の奥にあるだろう増田大地さんの本当の思いを、私は探しています。
それでは、この投稿をしたことで怪文書について一区切りがついたので、次のやることリスト、初詣に行ってこようと思います。
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