動物の子供達と宇宙人の子供が力を合わせて地球を救った話
くっすん
第1話
第一章 森の仲間たち
子ザルのキキは、高い木の上でバナナを頬張りながら下を見て
ニヤリと笑いました。「クロ、ここまでおいでよ!」
コロコロ丸い身体をした子グマのクロは
「そんなテッペンまで登れないよ~。」とあきらめ顔。
子リスのリリは木の枝で何かを組み立てながら言いました。
「ほら、これ見て!小枝で作ったミニカー、ちゃんと走るよ!」
子ジカのトールは川辺で水を飲みながら、みんなをやさしく見ています。
「ケガしないようにね。森はぼくらの大事な家なんだから。」
苔むした大木の幹に浮かび出た2つのヒトミは
4匹が仲良く遊ぶ様子を見て目を細めていました。
第二章 空からの訪問者
その夜、突然空がまぶしく光りました。
「わぁ、流れ星!」リリが叫びます。
しかし光は森の奥へ、ドーンと落ちました。
「行ってみよう!」キキが先に走り出します。
木々の間に、小さな銀色のロケットがありました。
扉が開き、中から小さな青く光る宇宙人の子どもが出てきます。
「た・・・助けて・・・。」
「き、君だれ?」クロがゴクリとつばを揉み込みます。
「ぼくはコスモ、遠い星から来たの。悪い宇宙人のゴーストビーに
追われているんだ!」
その様子を、ロケットに張り付いた2つのヒトミも
かたずをのんでみつめています。
第三章 地球の危機
次の日、森の上に大きなえんばんが現れました。
ゴオオオオ・・・という音とともに、森の木々がしおれていきます。
川の水も、すこしずつ消えていきました。
「ゴーストビーが、辺りの自然をこわしてボクをさがしているんだ・・・。」
コスモの声はふるえています。
「このままじゃぁ、森がなくなってしまう!」キキが言いました。
「そんなの絶対ダメ!」リリが叫びました。
「草や花や虫たちを守らなきゃ!」クロも立ち上がりました。
「森も川も、自然はボクらの家なんだ!」トールが深くうなずきます。
木のこずえから、2つのヒトミが心配そうに見ています。
第四章 初めての作戦
「よし、ボクが先にえんばんに飛びかかって注意を引く!」
キキが胸を張ります。
「そのすきに、ボクが力でとびらをこじ開ける。」クロもやる気マンマン。
「わたしは、この道具で部品をはずすワ!」
リリが小さなスパナをかざします。
「ぼくは周りを見張って、みんなの安全を守るよ。」
トールは冷静に言いました。
えんばんが着陸するのを待って作戦開始。
みんなでえんばんにそっと近付いて、
まず、キキが飛びかかり、クロがドアをこじあけようとします。
そして、リリがネジをはずし、トールも合図を送ります。
しかしその時、えんばんの防御バリアがピカッと光って、
みんなを吹き飛ばしました。
「うわぁ!」
「痛った~!」
やっとの思いでみんな川まで逃げて来ました。
からだ中ドロだらけ、草やツルがあちこちに着いています。
リリがうつむいてつぶやきました。「ぜんぜん、かなわないわ・・・。」
「だいたいコスモが地球に来なかったらこんな事にならなかったんだ!」キキの声に、コスモは何も言えずうつむきました。
壁に張り付いた2つのヒトミは心配そうにマユをひそめています。
第五章 あきらめない心
夜、コスモはみんなに打ち明けました。
「ボクの乗ってきたロケットの大砲を使う。ゴーストビーのえんばんを
やっつけられるかも知れない。」
「どうして最初に言ってくれなかったんだ?そうすればぼくたちケガをしなかったのに。」キキがたずねます。
「ボクひとりで、大人が使うこんな大きな兵器は動かせないよ。」
コスモはうつむきました。
「じゃぁ、みんなでやってみよう!」クロが言いました。
リリもうなずきます。
「うん、やる前からあきらめちゃダメだ!」トールが言いました。
心配そうに様子を見ていた2つのヒトミも、
うなずくようにまぶたをパチパチしました。
第六章 きびしい戦い
再びえんばんが森の上にやって来ました。
コスモが決心してロケットの大きなそうじゅう席に登って、
発射ボタンを押しました。
でも一瞬早く、ゴーストビーのえんばんの撃ったばくだんが
ロケットのすぐ近くで爆発しました。
ドーンと大きな音がして、ロケットがかたむきます。
大変!発射装置がこわれてたまが出ません。
コスモもけがをしてうでを押さえています。
リリがコスモを助け起こしました。
コスモに変わってキキがそうじゅう席に登ってボタンを押します。
「ダメだ。どうしても発射しない!」
みんな顔を見合わせました。
ロケットの壁に張り付いた2つのヒトミも心配そうに見ています。
沈黙が流れました。
しばらくして、コスモが口を開きました。
「ロケットごとゴーストビーのえんばんにぶつかるしかない。」
みんなびっくりしてコスモの顔を見ました。
「だれがそうじゅうするんだ?帰って来れないかも知れないんだぞ!」
キキがたずねます。
「ボクがやる!」コスモが手を上げました。
それを見たキキが手を上げて、コスモの手に重ねました。
「そのケガじゃ、一人でそうじゅう出来ないだろ?」
「じゃぁ私も。」リリも小さな手を2人の手に重ねます。
「だって、このパイプを修理しないと飛べないワ。」
「ぼくがパイプを支えるよ。」クロも手を重ねました。
「わかった。それならみんなで行こう。」とトール。
トールの手が重なってみんなの気持ちが一つになりました。
壁に浮かんだ2つのヒトミも、決心した様な光を放ちました。
第七章 力を一つに
みんなが協力したおかげで、ロケットは地球から飛び立ちました。
ゴーストビーのえんばんからは、ひっきりなしにばくだんが飛んできます。
「次は右に飛んでくるぞ!」トールが敵の動きを予測します。
「赤いレバーを引っ張って!」コスモが指示をして、
「任しとけ!」とキキがじょうずにこうげきをかわします。
でも、とうとう一発がロケットにめいちゅうしました。
ババーン!と大きな音がしてロケットにひびが入ります。
だっしゅつ用の小型ロケットをつないでいたパイプが今にも外れそうです。
クロが外れかけたパイプに飛び付いて支えました。
リリがクロの頭の上に飛び乗って、
スパナを使ってパイプをつなごうとします。
今にも分解しそうなロケットはゴゴーッ!と音を立ててはげしくゆれます。
リリが振り落とされそうになりました。
キキもコスモもずり落ちそうになりながら、
何とかそうじゅう席にしがみついています。
クロも手がしびれて気が遠くなってきました。
「もう、限界かも・・・。」
その時、トールがみんなを上から包み込んで言いました。
「えんばんにぶつかるぞ、みんな、ありったけの力を出すんだ!」
「ウオーーーーッ!」全員が叫びました。
壁の2つのヒトミもギュッと目をつむりました。
大きな火花が散って、みんなの乗ったロケットと
ゴーストビーのえんばんは粉々になりました。
第八章 さよなら、またね
みんなが力を合わせたおかげで地球は守られ、森にも平和が戻りました。
森の木々は再び元気になり、川は元のように澄んだ水が流れ始めました。
色とりどりの花が咲き、虫たちも飛び交っています。
地球は救われたのです。でも、みんなはどうなってしまったのでしょう。
2つのヒトミで一部始終を見ていた神様は、宇宙に散らばったみんなの魂を拾い集め、アオギリの木に封じ込めました。時が満ち、傷がいやされたら、みんなは元気なもとの姿に戻れます。
みんなが封じ込められた木は、大阪市立長居公園の水辺の散歩道に
あります。みなさん、会いに行ってあげて下さいね。
ヒント:長居植物園北東ゲートの横に水辺の散歩道の入り口があるよ。
そこを入って、左手に池が見えてきたらもうスグだ。
まず、左の木の上にトール、右の木の上にリリ、その後ろの木にクロ、
そして左の木の低い位置にキキ、その裏側にヒトミが居る。
見付けたら大きな声で名前を呼んであげて!君たちが来るのを待ってるよ!
動物の子供達と宇宙人の子供が力を合わせて地球を救った話 くっすん @kusugaia
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