壮大な決戦の失敗による世界崩壊から一転、魔法が常識の世界で無能力者として蔑まれる少女ルナの苦難が描かれる。一族の希望から「恥晒し」へと転落する残酷な手のひら返しや、困窮した一人暮らしの描写が、王道ファンタジーの中に重苦しいリアリティを与えている。「誰も救えない物語」という不穏な予言と、今後のルナがどのように「禁呪魔法」や「英雄」に関わるのかという謎が、読者の期待を強く煽る構成だ。救いのない展開から始まる物語や、どん底からの逆転劇、重厚な心理描写があるファンタジーを好む読者におすすめできる。