初めての魔法

大谷結実

初めての魔法

この度、俺に何か変わった潜在能力が無いものかと鑑定士に調べてもらったら、なんと魔法の適性があるらしい。

でも、そんなのは使ったことが無い。どうやったら魔法を身に着けられるのだろう?


行き慣れた繁華街を歩いていると、今まで気づかなかったが「魔法売ってます」という看板がある店がちらほらとある。へえ、知らなかった。そして「売ってます」とは!?

とりあえず、見に行ってみた。

「あの!魔法売ってるんですか!?魔法を売ってるってなんですか?」

「うぃ?お客さん、初めてかい?うちは有料で魔法を教えているんだ。ほれ、1回1000コインだ。」

1回ってなんだ?1種類ではなく?どういう意味?

「あの、1魔法ではないのですか?」

「魔法は1回で取得できる人もいるが、そうではない場合もよくあるんだよ。だから、1回ごとに料金がかかるんだ。」

うおお、そうなのか!俺の持ち金は1万コインだ!足りるか!?

「じゃあ、初心者でも習得しやすいやつを1つ教えてほしいです。適性はあるらしいのだけど、何も知らなくて。」

「初めてか。じゃあ、水を出す魔法が簡単かな。簡単な上に重宝される、覚えておいて損はない魔法だ。」

「じゃあ、お願いします!」


というわけで、水を出す魔法を教えてもらうことになった。

こうしてこうして…

1度習得すると、変わった動きは不要らしいが、最初だけ何かを身体に覚えさせるらしい。

「えい!」

ボフッ!

「ん!?なにこれ!?」

「はい、残念。失敗です。2回目、やりますか?」

なんと、これで1回だったか!


そしてついに9回目になってしまった。

「せめて1000コインは残さないと、ご飯代が!」

切羽詰まりながら、もう一度!

「えい!」

ボフッ!

「えー!9000コイン使ったのに!ご飯が!どうしよう!」

動揺しまくっていたら、店の人が残念そうな顔をしながら言ってくれた。

「今回が初めてだっけか。仕方がない、今回だけはおまけしてあげるよ。」


なんと習得するまでエンドレスで教えてもらえることに!ありがとう!

そして、30回目くらい。

「えい!」

ジャバババババッ!

ついに出来た!!

勢いの割には水たまり程度だけど、やったー!

「ありがとうございます!やっとできました!」

お店の人は呆れた顔だけども、優しい顔をしている。

「今回だけだよ。初めての魔法習得、おめでとう。」

改めて嬉しくなった!


初めての魔法スキルを手に入れ有頂天になって帰った。

そして記念にいつもより良い店に夕食を食べに行った。

予算100コインのつもりが、1000コイン食べてしまい、俺の財布はスッカラカンになってしまったのだった。

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初めての魔法 大谷結実 @Yumi-otani2025

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