東北スーパー。ヨークベニマル
久遠 燦
第1話
ヨークベニマル虫たちが撒き散らした赤い汁で真っ赤に染まった「からむし織」(ヨークベニマルのアジトである福島県の伝統工芸の白い織物)からベニマル虫を剥ぎ取ろう。そして元の真っ白な福島・東北地方を取り戻してやろう。
東北に縋り付き離れようとしないヨークベニマル虫たち。
お前らの名にはヨークが入っている。
スーパーの発祥地もニューヨークだ、よってお前らの本来の生息地はニューヨークに違いない!今すぐニューヨーク行きの飛行機に乗って故郷へ帰れベニマル虫。
「スーパー行くね」と言う度に「どこのスーパーだ?ん?言ってみろ」と聞かれ、恥じらいながらも「ヨーク…ベニマルです」と言わされて、苦しみを抱いているに違いない東北の美しい女性陣の気持ちを考えてみやがれ。
彼女たちはベニマルに憎悪の感情を抱きながら、ベニマル以外にスーパーが存在しないため苦しんでいる!彼女達のため私は伊達政宗の化身となってベニマル虫と戦うつもりだ!
新参者の外来虫でありながら、ベニマル虫。お前らはロゴに宮城出身の戦国武将、伊達政宗の家紋をつけているようだな?
ベニマル虫によって、福島・そして東北全体のスーパーは閉店を余儀なくされたと言うのに。
その上、ヨークベニマルは伊達政宗の家紋に描かれたツガイの白雀を一羽にしてロゴにしているじゃないか。あぁ、なんという冒涜。
空港に見送りに来た東北人達をベタベタと抱きしめ、飛行機に乗ることを泣いて拒否するベニマル虫達。
しかし、お前らのニューヨーク行き飛行機チケットは既に購入済みだ。ベニマル虫一匹一匹をシートベルトでキツく締めてやった。
機内に寂しく響くベニマル虫達の啜り泣く音。
さようなら、ヨークベニマルよ。
ベニマル虫が居なくなった東北には、静寂が訪れた。赤と緑の背景に伊達政宗の家紋からとってきた白雀一匹を乗せたロゴは飛び去った。さぁ、伝統の商店街経営者達よ。シャッターを開きなさい。
しかし、東北の街は静寂に包まれたままであった。「そうか。ヨークベニマル虫。お前たちだったのか。高齢化した東北の街を支えてくれていたのは。」
白雀が飛び去った東北の街には「白いからむし織りを再び紡げる環境」が戻ってきた。
しかし、ここにはもう織り手が居ないのだ。
東北スーパー。ヨークベニマル 久遠 燦 @Milai_777
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます