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年末年始。仕事始め。社長の話を聞いた後は、前年度の振り返りとなった。とはいえ、やる事も特になく、ただ呆然と画面を見るだけに留まっている。仕事に置ける新年の抱負などなく、ただ淡々と時間だけが過ぎて行く。


鏡花が家に帰ってきた。夕飯を食べ、風呂に入った後は何時もの様にリビングで丸くなり、ただ薄ぼんやりとスマホを弄るばかりである。しかし突然此方を振り向くと、こんな事を聞かれた。

「瑠衣たん。仕事始めって何した?」

仕事始め。社長の話を聞いた後は特にする事も無かったので、デスクの整理を行い、メールを見て、次に来そうな仕事の前段階としてファイルの置き場を確認しただけで終わった。

「私何もしてない。年末も特にする事なくて、延々と休日の予定考えて終わったし」

そう言えば退屈の余り、AIと会話して一日を終えたとか言っていたな。

「こうやって幾年も経過して、気が付いたら終わっちゃうんだろうな」

鏡花も俺も社会人である。そうしてそのレールから外れる事のない生活を淡々としている。だからこそ虚無に襲われる事もあるのだろう。

立ち上がって鏡花の元へ近付く。変わらず胎児のように丸まって、長い髪をその辺にばら蒔いて、ただそのままに。幾度となく見た光景であった。

「私の未来、どうなるんだろうね。まだこの地域は大きな被災とかないけど、もしかしたらそう遠くない未来にボロボロになるかも知れないし、そうなったら、瑠衣との関係ももしかしたら変わるかも知れないし。大丈夫かな?」

暇になると未来の事を延々と考えてしまうのは、鏡花らしい癖でもある。そして俺も未来がどうなるかというのは時折考える事がある。だが一つ言えるのは。

「どれだけ備えていても、本当に何かが起きないと、どうなるかは分からない。その時、何も出来ない自分を責めるな。ただ生き残る事だけを考えろ」

そうして考えているだけでも、十分だと思うのは甘えだろうか?

「今日の瑠衣は優しいね」

ただそれだけが帰ってきた。

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