ある女性は夫の言動に苛立ちや嫌悪感を覚え、また別の男性は誤解されやすい性質のせいでまだ小さい娘に辛く当たってしまう。今まで交差することがなかった彼らの運命が、たまたま隣人となった時、僅かなきっかけが水面の波の様に広がっていき、そしてついに……
時々現れる『ドシャえもん』の描写や、それがそれぞれの心に落とす影が不気味で、また心理的に追い詰められた人々が狂気に走る様も生々しい。現在16話でまだ中間地点だが、今後登場人物たちの関係がどの様に変化していくのか、またどこに行き着くのか、ホラーながら目が離せなくなる作品。
冬だけど、気温の寒さとは別の何かで背筋をゾワゾワさせながらも、どんどん読み勧めることができる良作です。是非!
この作品を読み進むに連れて、手が震えている自分がいた。
接点のなかった二者が、同じ題材を別の視点から書き上げた作品を間に挟んで、向き合っていたからだ。
『作者が一番読んで欲しい作品』として、『ドシャえもん』と『ひかりがひかる』は対極にありながら共鳴している。
ひとりの人間の心と心の邂逅でもある。
本作品の作者は、優れたストーリーテラーである。
ジャンルは確かにホラーだが、そこには巧みな叙述的レトリックで紡がれた様々な人間模様が散りばめられている。それは、炙り文字のように読者の心に現れる。炙り出された文字はこう告げる。
社会の歪みは常に弱者へ皺寄せられる。
この作品が傑作であることは間違いない。読めばわかる。わからぬのなら、その目は、まだ、見ていないものがあるからだ。この社会の歪みと不都合な暗部を。そして、その歪みと暗部は、あなたの身近に存在している。いや、あなたのなかにも存在しているのだ。
『ドシャえもん』は怖い、たしかに怖い。
だがしかし、本当に怖いのは、作者が見つめる先にある。
見つめる先は、あなたの隣かもしれない。