秘密のクラブ活動

シバカズ

秘密のクラブ活動

 秘密とは、隠して他人に知られないようにすること。

 とある小学校では秘密のクラブ活動が存在する。

 そんな噂が広まった時点で秘密とは成り立たないが、活動メンバー、活動内容、顧問教師までも不明な謎のクラブは確かに存在する。

 これは秘密のクラブ活動を徹底的に調べあげた生徒から聞いた話だ。

 秘密クラブの活動期間は数日だけ、活動場所と共に活動内容はまちまちで、顧問教師に至っては極秘だという。

 小学校のO B・O Gですら家族にも話せない活動らしい。ひとつだけ確かなことは、選抜されるメンバーは全て6年生であること。

 今年度、小学校の最高学年となったクラスメイトたちは、この謎のクラブ活動について盛り上がっていた。

 果たして誰がメンバーに選ばれるのか、選ばれたら活動内容を聞かせて欲しい、などとはしゃいでいる。

 Aは自分が最初の活動員に選ばれたことを黙っていた。

 春休み明け最初の登校時に活動は終了していた。

 Aの近所に住む、前年度不登校気味だった Bを始業式に参加させることが、活動内容として春休み中に手紙で送られていた。

 手紙には追伸で活動内容を Bを含む他者に知られないことと、成功すればある保障が確約できるとつづられていた。

 始業式の後、生徒指導室に行けとAに言われた Bは教室指定の放送で、一週間登校するようにと変声放送で言いつけられた。

 そこでも達成できたらあることを保障すると言われ、 Bは一週間登校し続け、活動期間後も不登校になることはなかった。

 次に同じく不登校児+暴力性の高いCには Bが登校を続けているのにCにはできない、というやや挑発的な通達を渡し、学校に来るよう仕向けた。

 Cには学校にいるだけで保障が手に入るという条件を出した。

 Cの出現でクラス勢力が大きく傾いたので、今まで仕切り屋だったDには、Dに協調していた問題の多いE・F・Gの指導を一任した。

 そして、中学生に兄を持つGに中学で問題視されているイジメの証拠を提示した。

 Gは処分もやむなしという言葉に怯え、兄への説得を買ってでた。

 その後Hに、虐めを行うGの兄は虐められていたHの兄にもう手は出さないと内緒で通達させた。

 一方、イジメは女子の方が悪質で、Iに対して無視する行動が見られた。

 そこで秘密クラブの活動員として、主犯格のJとKを指導室に呼び出し、その他の生徒に教室で、明日一日JとKを無視するように伝えた。

 翌日の放課後、再び呼び出されたJとKはIへの行動を改めると約束した。

 L・M・Nは帰宅途中の買い食いが目立つので、OとPに尾行させ入店時から出店時まで映像を記録させた。

 L・M・NはQが万引きしている現場を見たというので、交代でQを見張らせ証拠を確保させた。

 Qには同じマンションに住むRが深夜帰宅していることを白状させ、近場に住むSにを頼んだ。

 気味悪がったRは深夜徘徊をやめた。

 Rからの情報でTとUが中学生と偽りアルバイトをしているという密告があり、VとWにやめるよう説得を頼んだ。

 Tがなかなか強情だったため、やむを得ずアルバイト先に報告をした。

 TとUは罰として冬休み特に成績が悪いX・Y・Zの学力強化合宿に付き合わされた。

 3学期は中学に進学できるか勝負の時だが、6年生の大半は余裕綽々よゆうしゃくしゃくであった。

 それは今年度、秘密クラブで活動達成時に出された保障が大きく関わっており、その保障内容が中学への進学試験免除だからである。

 教室を見回した6年生の学年主任は思う。義務教育だから進学試験などないというのに、とりあえず今年も学級崩壊は免れた。と自分の生徒誘導能力を自負するのだった。

                    完

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