EXTRA: 後日談

配信のあと、熱心な視聴者の間で『百物語の配信』が話題になっていた。

きっかけは、とある掲示板に書き込まれた何気ない一言だった。


――あの配信、すごかったよな。


最初は『怪異が出るのはいつものことだろ』といった冷めた反応が目立っていた。


だが、次の一文が空気を変えた。


――同じ声の九十八話を同時に聞いて、正確にカウントしたんだぞ。


『それはすごい』

『聖徳太子でも十人が限界だもんな』

掲示板には、怪異を称える声が次々と書き込まれた。


本当に聞き分けたのか、それとも、最初から様子をうかがっていた怪異が、気まぐれに現れただけなのか――


真相は、誰にもわからない。


ただ一つ、確かなことがある。

この夜、新たな怪異の逸話が生まれたのだ。


語られるうちに、その逸話は形を変えていくだろう。

やがて『この世のすべての話を聞き取る怪異』として語られる日が来るのかもしれない。


――この日の百物語は、新たな怪異の種を蒔いたのだ。

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