家事力カンスト幼女は気だるげお姉さんと結婚したい!

十坂すい

第1話 プロポーズ!

「わたしとけっこんしてくださいっ!」


わたしは目の前のお姉さんにそう言いました。

ルニ、6歳。人生で初めてのプロポーズです。

わたしの心臓はバクバク音を立てます。


お姉さんは驚いた顔をしたあと、あー……と、頭を掻きます。


「やだよ、めんどくさい」


目の前が真っ白になりました。


やだよ……?わたし、断られたんでしょうか。


いやいやそんなはずはありません。

だってわたしは自分でも可愛いと思っているし、村のみんなにもチヤホヤされて育ってきました。

万が一にでもわたしのプロポーズを断るだなんてこと……。


「あっ、あのっ!わたしと……」

「だからー、無理。ケッコン?とか絶対めんどくさいし。私は一生ひとりで生きていくつもりだからさ。ごめんね?」


何かが音を立てて崩れていきます。


わたしのプロポーズが失敗するなんて……!


「わかり……ました」

「そ。よかった。じゃあ私はこれで」

「待ってください!」


わたしは踵を返そうとするお姉さんの腕を掴みました。

どうしても、どうしてもわたしはこの人と結婚したいのです!


「なにー?なにか美味しいものでも食べさせてくれるの?」

「美味しいもの……えと、はい!わたしの村に行けば美味しいもの、たくさん食べられます!」

「ふうん?」


食いついた!?

ならば美味しいものをエサに釣るしかありません。


「お姉さんが捌いたお肉も美味しくなりますし、食後のデザートだって出てきます!」

「へぇ。その、デザートっていうのは?」

「この野いちごのムースです」


わたしはカゴいっぱいの野いちごを見せる。

お姉さんはごくりと唾を飲んだ。


「……仕方ない。着いていこう」

「やったぁ!お姉さん、ありがとうございます!」

「あー、その呼び方なんだけどさ」

「なんですか?」

「ルリナお姉さんって呼んでよ」


なんと!ここにきてお姉さんのお名前も知ることができるなんて!


「はいっ!ルリナお姉さん!」

「よろしい」


わたしはお姉さん……ルリナお姉さんの手を引いて村に案内することにします。

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