この作品は、魔力の少ない主人公エミリアが、魔法を神秘として受け入れるのではなく、観察と実験によってその仕組みを解き明かしていく異世界ファンタジーです。
特に印象的なのが、使い終わった魔石を捨てるのではなく、条件を変えながら何度も実験し、再び利用できる可能性を見つけ出していくところです。魔力の少なさを力で補うのではなく、「なぜそうなるのか」を考えることで常識そのものを変えていく姿に、エミリアらしい魅力を感じました。
また、研究から生まれた魔砲が実際の戦場で大きな力を発揮する一方、その威力を目の当たりにしたエミリアが単純に成功を喜べないところも印象的です。
単なる魔法研究ものではなく、知識を積み重ねて技術へ変えていく面白さと、生み出した技術に向き合う責任まで丁寧に描いているところが、この作品の大きな魅力だと思います。
序盤までの紹介となりますが、エミリアの研究がこれからどのように世界の常識を変えていくのか、これからも追いかけて行きたいと思います
この物語はエミリア視点の、4台の『魔砲』の発射シーン――密集形態の敵への――から始まります。エミリアは『魔砲』運用の実質的責任者です。
そして、その開発物語が始まるのですが。それに大きく関わるのが王女・セリーヌで、現場が好きな理系脳です。
セリーヌは、社交界が苦手な貴族令嬢たちの焼き菓子作りチーム『砂糖研究会』にやってきて、顧問に就任、このチームを庇護します。
この『砂糖研究会』が、理系研究能力を活用して諸々の成果を上げていくところが空想科学的に面白く、読みどころの一つです。
そして、『砂糖研究会』に所属していたエミリアは王女に見出され、更に大きなミッションに取り組みます――そもそも『魔力』とは何なのか? の追求です。
魔法を科学する! この一言でビビッとくる方に、強くお勧めします!