第2話 勘違い
うーん?この掲示板よく見たら、目立つ貼り紙があるな。……っていうか、この紋章、どこかで見たことがあるぞ。
翼を広げた二頭の鷲が合体したような、禍々しくも豪華なデザイン。
流石に日本史好きで世界史に疎い俺でも、これくらいは知っている。
ズバリ、ハプスブルク家だ!
「えぇっ! 異世界にハプスブルク家!? ハプス……え、これマジ?」
思わず声に出してしまったじゃないか。ここは街中だから人の冷たい視線が痛い…。あまりにも衝撃で1人でノリツッコミをやってしまった。いやだけど、それほどびっくりしたさ。異世界にハプスブルク家?いやいや偶々だろ。ハプスブルク家似の紋章だ。
(※主人公はハプスブルク家が何かわかってますけど、一応ご説明するとオーストリアの超名門王家です。後に第一次世界大戦のきっかけになるサラエボ事件で暗殺される皇太子夫妻が有名です。以上解説でした。)
ちょっと興味が湧いてきたな、この紋章がなんの家なのかそして、この貼り紙が全く読めないから内容も気になる。アルファベットっぽいが、俺は英語が絶望的にダメだ。アップルすら怪しいレベルだ。
そこで俺はとある作戦を決行した。それは、読めないなら他の人に読んで貰えばいいじゃない!文字が読めないとかで馬鹿にされるかもしれないけど、知的好奇心の方が勝る。とりあえずそこの優しそうなお爺さんに聞こうじゃないか。
「……あ、あの、ちょっとそこのお爺さん、いいですか?」
「なんじゃ? その奇妙な格好……貴族様か?」
おー反応してくれた。異世界で初めて話したな。とりあえず本題だ。
「いえ、ただの旅人です。あの、その貼り紙には何て書いてあるんですか? 遠くから来たもので、ここの文字が読めないんですよ」
お爺さんは怪訝そうな顔をしたが、ゆっくりと内容を教えてくれた。
「あぁ、これか。これは……『オーストリア女(マリー・アントワネット)』への呪いと、ハプスブルク王家がいかに我らから搾取しているかっていう批判じゃよ」
What?マリーアントワネットにハプスブルク王家?え、これ本物?ここ異世界じゃないの?ここはフランスですか?異世界だと思ってたのに!え?嘘だよな…
「お爺さん、もう一つ聞きたいんですけど、ここってフランスのどの辺ですか?」
「どの辺も何も、ノルマンディー地方だよ。」
Oh… 終わった。
ノルマンディー。あの第二次世界大戦で有名な『上陸作戦』のノルマンディーだ。
つまり、ここは異世界なんかじゃない。本物の、リアルなフランスだ。つまりここは場所的にはイギリスとの海峡側に近いのか。
もうわかってるけど、ここ絶対異世界じゃない。そりゃ中世ヨーロッパ風の見た目してるよだって本物だもん。
あれ?マリーアントワネットがいるって事は18世紀くらいだな。日本で言うと江戸幕府の時代で松平定信とかの寛政の改革の時代だな。それってもう中世でもなくない?中世は確か15世紀くらいまでだから…。
異世界かと思ったら違く中世ヨーロッパでもなく、近世ヨーロッパだと?!
俺は異世界転生じゃなくて歴史転生をしてたのか…。なんなら日本に飛ばして欲しかった!フランスなんて世界史の知識ほぼゼロだよ!
日本ならまだ無双できて、日本史の人物を生で見れたのに…
いや、待て。確か今の年号はおそらく掲示板に書いてあった1788年。来年の1789年は……かの有名なフランス革命。
ギロチン。暴動。処刑。
うっすらとした知識でも、それが地獄だってことだけはわかる。内容はほぼ覚えてないけど最終的にはフランス革命はナポレオンが出てきて革命が沈静化されるんだっけ?。
マズイな、フランスの歴史を全く知らない。太陽王(※ルイ14世)と自分で作ったギロチンで処刑される王(※ルイ16世)しかしらないぞ、何をしたのかはわからないけど。
これは困った…このままじゃせっかく歴史転生したのに失敗してギロチンにかけられるかもしれない…。
だが、一つ俺は歴史転生したのなら望みがある。それは、誰でもいいから日本史の人物を生で見たい!これを達成するには日本に航海をするしかない…。
だが、しかし!日本史オタクを舐めるなよ!1867年、パリ万国博覧会。実はこれには日本人なら誰でも知ってる有名な日本史の人物が来るんだよ!
俺はこの1867年まで生きるぞ!今は1788年だから、79年後…約80年かよし俺はこのフランス革命前のフランスで80年間、生き延びるぞ!
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