輝く銀の胃袋と、静寂の干潟だぉ🌼

フル・カシマンタルが放った「内容証明郵便」の紙吹雪が有明海に溶け、戦場には奇妙な静寂が訪れていた。だが、その中心で仲田 事務局長の腹部だけは、依然としてサーチライトのような銀色の輝きを放ち続けている。 


「う、うう……。フル・カシマンタルは去りましたが、私の胃袋の共振が止まりません……っ! それどころか、SNSのフォロワーからの『お疲れ様』のリポストが届くたびに、胃壁がバイブレーション機能付きの歯ブラシのように震えるんです……っ!」 

システム・ポッドの中で黄金のワラスボ全身タイツを銀色に発光させている仲田は、もはや自分が人間なのか、それとも鹿島市を周知するための高性能なバイオ・サーバーなのかの境界線を見失っていた。 


「おいおいおい、この余韻……完全に某・宇宙世紀の劇場版のラストシーンのパクリなんだぜ🌸」

堤防の上で、山本 マキは『ワラスボ・ポーチ』のモニターに流れる膨大なトラフィックをチェックしながら毒づいた。


「あたいの解析によれば、仲田のオッサンの胃袋サーバーは、いまや世界中のSNSドメインと『ガタ・フィールド』を介して直結しちまってるんだぜ🌸 この輝きは、もはや隠密行動なんて不可能なレベルの著作権違反……じゃなかった、聖なる光なんだぜ!🌸」 


「わぁぁ🌼 仲田さんのお腹、お月様みたいでとっても綺麗だぉ🌼 6256(RX-6256)さんも、お腹が空いてピカピカしてるぉ🌼」 

鹿島 幸来は、純白の機体『6256』の手のひらの上で、四次元的な広がりを持つ『ムツゴロウ・ショルダー』をゴソゴソと探り始めた。 


「(通信音)……こちらREDDAS。ガタルギアのOS書き換えを完了した🥷」 

奪取した赤い有人MA『GA-TAL GEAR(ガタルギア)』のハッチから、伝説のエージェント REDDAS WRSBがシリアスな声を響かせる。


「(通信音)……これより本機は、アニマの支配を脱し、有明海の希少生物を守るための遊撃機として運用する🥷 仲田、君の胃袋の光が消えるまで、我々はこの泥の中に潜伏し、次なる法務部……フル・カシマンタルの動向を監視するぞ🥷」 


「REDDASさん……! 私の胃が光っている限り、潜伏なんて物理的に無理なんです……っ! 泥の中に隠れても、海底火山みたいに光が漏れちゃってるんです……っ!」

仲田の悲痛な叫びをよそに、幸来はバッグから取り出した「ガタニウム配合お茶」を、光り輝く仲田の腹部にそっと供えた。その温かい湯気が、銀色に染まった干潟の夜を、少しだけ優しく包み込んでいった。 

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