泥(ドロ)ビット、まさかの定額制(サブスク)!?🌸

「逃がさないわ、マキ! 有明海の泥(ガタ)の底まで追い詰めてあげる!」 

**七海和歌(ななみ わか)**が駆る赤い有人MA『GA-TAL GEAR(ガタルギア)』が、干潟の闇を切り裂いて突進する。 背部のコンテナが開き、前回登場した誘導兵装『泥(ドロ)ビット』が夜空へと射出された。 


「おいおい、またあの版権スレスレの誘導兵器かぜ?🌸」

山本マキは『ワラスボ・ポーチ』を操作しながら、空中の光点を睨みつけた。


「あたいの計算によれば、あの軌道は某宇宙世紀の『〇ィー・メッス』のパクリそのままだぜ🌸 鹿島市の平和を守る前に、あたいらの社会的信用が消滅するんだぜ!🌸」 


「わぁぁ🌼 マキちゃん、お空にホタルさんがいっぱいだぉ🌼」

**鹿島幸来(かしま ゆき)**は、『ムツゴロウ・ショルダー』から取り出した「竹崎カニ」の殻を剥きながら、呑気に夜空を見上げた。 

その時、和歌が意気揚々とトリガーを引いた。


「いけっ! 泥ビット! ……って、あれ?」 

空中で鋭くマキを狙っていたはずの泥ビットたちが、突然その場に静止し、画面には巨大な『!』マークとポップアップが表示された。


『【警告】ライセンスの有効期限が切れました。継続して使用するには月額9,800ガタポンの支払いが必要です。』


「な、何よこれ!? 肝心なところでサブスクリプションの更新通知!? フォルツァ様、これは一体どういうことなの!?」 


『あら和歌さん。これからは兵器も所有から利用の時代よ』

モニターに映るマダム・アルモニアが、優雅に扇子を動かす。


『「暗黒観光協会(K.T.A.)」の運営資金が、仲田さんの胃薬代で圧迫されているの。だから新型武装は全て「定額制(サブスク)」にしたわ。今すぐプレミアム会員に登録すれば、広告なしで泥ビットを撃ち放題よ?』 


「う、うああああ……! 止めてくださいアルモニア様! 私の給料は、もう和歌さんのゲーミングデバイス代とサーバー維持費でマイナスなんです……っ!」

通信の端から、仲田事務局長の泣き言が響く。 彼は現在、黄金のワラスボ全身タイツを着たまま、ドックの片隅でスマホの決済画面と格闘していた。


「胃が……私の胃が、残高不足の通知が出るたびにキリキリと引き絞られます……っ!」 


「(通信音)……こちらREDDAS WRSB(レダス・ワラスボ)。和歌が怯んだ。マキ、今だ🥷」

泥の中に潜伏する伝説のエージェントが、冷静に勝機を告げる。 


「へっ、さすがは『暗黒』観光協会、えげつないビジネスモデルだぜ🌸」

マキは不敵に笑い、ポーチのキーを叩いた。

「あたいが今から、和歌の支払いシステムに某・有名な海賊版防止プログラムを流し込んでやるんだぜ🌸 ライセンス認証の無限ループに陥って、一生泥(ドロ)ビットを撃てない体にしてやるんだぜ!🌸」 


「わぁぁ🌼 和歌さん、お財布も胃袋も空っぽだぉ🌼 幸来がカニさんを分けてあげるぉ🌼」 

幸来の投げたカニの殻が、精密機械であるガタルギアの頭部に直撃し、和歌の絶叫が鹿島の干潟に響き渡った。 

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