ムツゴロウ・ショルダーの四次元疑惑
「わぁぁ🌼 なんだかお腹が空いてきたぉ🌼 ちょうどいいところに、これがあったぉ🌼」
佐賀県鹿島市、有明海の潮風が吹く堤防の上。**鹿島幸来(かしま ゆき)**は、愛用の『ムツゴロウ・ショルダー』にひょいと手を突っ込んだ。 次の瞬間、彼女が取り出したのは、直径50センチはあろうかという巨大な「竹崎カニの姿煮」だった。
「おいおいおい! ちょっと待てだぜ🌸」
隣にいた山本マキの目が、カニのハサミよりも鋭く剥かれた。彼女は『ワラスボ・ポーチ』のセンサーを全開にし、幸来のバッグをスキャンし始める。
「あんたのそのバッグ、外見の容積に対して中身の質量が明らかにおかしいんだぜ🌸 某・未来から来た青いロボットの四次元的なポケットのパクリじゃねーのかだぜ?🌸 法務部がアップを始めたら、あたいら一巻の終わりなんだぜ!🌸」
「わぁぁ🌼 マキちゃん、難しいことはわからないぉ🌼 これは鹿島の幸が詰まった、魔法のバッグなんだぉ🌼」
幸来はケロリとした顔で、さらにバッグから「祐徳稲荷神社の巨大な御札」と「一升瓶の日本酒(鹿島の銘酒)」を次々と取り出していく。
「(通信音)……こちらREDDAS WRSB(レダス・ワラスボ)。幸来、そのバッグの挙動を注視しろ🥷」
泥の中から、REDDAS WRSBのシリアスな声が響いた。 彼は今、前回のPRビデオ撮影の影響で、伝統装束を纏ったまま干潟に潜伏している。
「(通信音)……仲田からの機密情報によれば、GA-TAL GEARの装甲に使われるガタニウム合金には、極微小な空間の歪みを発生させる特性があるという🥷 幸来のバッグは、無意識のうちにその空間を折り畳み、鹿島市の特産品を無限に格納している可能性がある🥷 まさに、REDDAS(絶滅危惧種)級のオーバーテクノロジーだ🥷」
「ただのラッキーじゃ済まされない設定が出てきたぜ🌸」
マキが呆れ顔でポーチの冷却ファンを回していると、通信機から凄まじい「ギュルギュル」という異音が混じった。
「(通信音)……う、うあああ……! 胃が、胃が四次元的に捻じ切れる……っ!」
仲田事務局長の悲鳴だ。 彼は現在、アニマのマダムたちから命じられた「黄金のワラスボ全身タイツ」を脱ぐことを許されず、タイツの摩擦と胃痛のダブルパンチに悶絶していた。
「(通信音)……和歌さんが……GA-TAL GEARのテスト中に、幸来さんのバッグから漏れ出る『カニの匂い』に反応して、センサーをこちらに向けています……っ! 私の胃が、ターゲットロックされています……っ!」
「わぁぁ🌼 和歌さんにも、カニさんを分けてあげるぉ🌼」
幸来がバッグの奥底まで手を伸ばした時、ショルダーバッグからは「ガタニウム合金製の巨大なカニフォーク(非売品)」が飛び出した。
「おい! それはもう完全に武器だぜ🌸 某・狩猟アクションゲームのパクリ武器にしか見えねーんだぜ!🌸」
マキの絶叫が響く中、遠くの地平線では、七海和歌が駆るGA-TAL GEARのモノアイが、夕闇の中で不気味な赤色に点灯した。
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