人生には、いくつかの転機が訪れる。望んで掴みにいくものもあれば、気づけば波に飲み込まれていたというものもある。それでも人は、与えられた場所で懸命に生き、自分なりの意味を見つけようとする。そういう意味では、誰しもが何かの渦中にいて、誰しもがその渦から逃れられない。
それは、輪廻のように繰り返される。時代が変わっても、立場が変わっても、人が誰かを想い、守ろうとし、そして別れていく構図は、古今変わることがない。
願わくば、そのすべてを経た果てに、満ち足りた気持ちで空を見上げられる瞬間があってほしい。
夜なのに、青い。
そんな、少しだけ現実から外れた感覚の中に、ひとつの生涯の幸福が宿ることもある。本作はそういう物語。