自己肯定感低めのTSっ娘は尽くしたい

亜紀

第1話 前世も今世も散々らしい


「ここは....?」

「ここは転生部屋だよ~」


っ!?だ、誰?。


僕は驚きつつ突然声が聞こえた後ろの方向に振り向くと、そこには僕より幼そうな見た目の少年が立っていた。


と言うか、〝転生部屋〟?


「そうそう、転生部屋!そしてボクは神様だよー。君はこれから特別な能力を持って転生してもらいま〜す!」


そう楽しげに僕に告げたのは、自身を〝神〟だと名乗った僕より幼そうな見た目の少年だった。



なぜこのような状況になったのか、僕はこれまでを思い浮かべていた。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


僕の名前は『葛木 翠泉(かつらぎ すいせん)』 。所謂〝男の娘〟と言うやつだった。どこからどう見ても黄色髪の華奢な女の子にしか見えず、それを親に気持ち悪がられ、学校でも気持ち悪いと虐められた。


僕は元々優秀な姉がいたこともあり、放置気味に育てられた。それもあってか親からの愛情などに飢えていた。見てもらいたい、愛してほしい、構ってほしい、そう思っていた。

だが、親の愛は常に姉に向けられていた。


そもそも僕が愛されなかったのには、僕が生まれるのを望まれていなかったのもあるだろう。親が僕を妊娠した時、親は中絶手術を受ける為のお金がなく、かと言って堕ろして何処かに埋めるなんて勇気もなく、そのまま僕を産むことになった。


まぁ、そんなこんなで僕は家族に愛されなかった為に、愛されよう、見てもらおうと勉強を頑張った。だが、いくらテストで高得点を取ろうが、成績が良かろうが愛されることも、見てもらうことも無かった。むしろ、


「こんなくだらないものを見せるな!!」


と怒られ、時には殴られた。一度だけ見てもらえたことがあったが、その時は


「ハァ、こんな点数誰でも取れる、努力しないとこんな点数も取れないお前がバカなだけだ」


と言われた。それからは、僕は勉強ができない、そう判断して次に元々やってた家事を頑張った。


だが、褒めてはもらえないし少しでもサボろうとすればお仕置きと称し殴られたり蹴られたりもした。料理も不味いとお皿ごと顔に投げられた。掃除もここが汚れてる、ここができてない、と言われる毎日。


その時だっただろうか?僕は自分が何もない人間だと思った。勉強も家事もできない、運動だって苦手、姉に勝ってるところは何一つとしてない。望まれて生まれたわけでも、なにか役に立てるわけでもない。


一人でいる時自分がなんなのか、なぜ生きているのかわからない時がある。親が見てるテレビでちらっと見たが世界には生きたくても生きることができなかった子供や大人達がいることを知った。できる事なら交換してあげたい。そう思うようになった。


そんなことを考え家事をしてるのがいけなかったのか、僕はミスを連発した。そして僕は使えないと判断されたのか、もともと捨てる予定だったのか、小学六年生の冬真っ只中に捨てられてしまった。


それからは早かった。冬真っ只中に加え、ボロボロの服しか身につけておらず、ろくに栄養の無いこの身体はすぐに死んでしまった。そして、冒頭に戻る。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「ちなみに、性別、生まれる場所、親、周りの環境なんかもランダムだから〜頑張ってねー」

「えっ!?ちょっ」


突然告げられた事に文句も言うまもなく僕は意識を失った。


色々聞きたかったこととか有るのに。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


次に僕が目覚めたのは、お皿を拭いてる時だった。


そんな時に思い出したから、僕はお皿を落としてしまった。お皿は僕の手を離れ地面に一直線に突っ込み、ガチャンッそんな音とともに粉々になってしまった。


お皿の割れた音を聞いたのか、お酒の匂いを纏った男の人(多分今世の僕の親?)が不機嫌そうな顔でドスドスと音を立ててやって来た。


それを見た時僕は失敗を悟った。これから心配されるなんてあり得ないだろう。


そんなことを考えてる内に男の人は近づいて来て、僕を殴らながら、


「このグズが!!皿拭きもまともにできないのか!?ホントに使えないゴミだな!」


そう言ってきた。散々殴られたりした後、鬱憤を晴らしたのか来たときと同じように去っていった。それだけで僕は環境などが前世と大して変わっていないことを察した。


割れたお皿を片付けた後、突如激痛に襲われ僕は気を失った。





―――――――――――――――――――


・少し小話


『葛木 翠泉(かつらぎ すいせん)』 の名前の意味。


葛木は、花の葛(くず)から来ています。花言葉は「芯の強さ」「活力」「治療(治癒)」「根気」「努力」今作主人公は努力型なので、合ってるなと思いこの花を入れました。

木の部分は特に意味はありません。


翠泉は、水仙の花から来てます。花言葉は「自己愛」「うぬぼれ」が代表的ですが、色や種類によって「神秘」「尊敬」「気高さ」「もう一度愛して」など、今回見たのは「もう一度愛して」の所で、黄色い水仙の花言葉らしいです。今作主人公の前世の髪色が黄色いのもそのため。


「もう一度愛して」だそうです。今作主人公は誰にも愛されたことないのにね!




―――――――――

感想などお待ちしてます!



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自己肯定感低めのTSっ娘は尽くしたい 亜紀 @tanatosumesaia

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ