サンシャインスター

なぎさ

第1話 終わりから始まりへ

物心ついた時から、私は自分を守るために武器を使うことを許されていた。

魔法が蔓延る世界だから? それとも魔物がうじゃうじゃいる世界だから?

否。どちらも正解だ。

でも、もう二度とこんな惨劇は起きてほしくない──。


「……や、やめて!!」

かすれた声を絞り出す。目の前では、金髪の男が青髪ショートの女の子を殴り続けている。

女の方は、ただ黙って見ているだけだ。


「もうやめてあげなよ。流石に可哀想でしょ。回復魔法だって制限あるんだし」

いつもそう言うだけで、助けてはくれない。


「……誰か……助け……て……」

小さな声を振り絞ると、遠くから甲高い声が響いた。


「あれ? 母さんがいない? どこ行ったんだろう」


その瞬間、黒髪の男が飛び込んできた。

「こんなところで何してんだ!!」


「遊んでるだけだよ。戯れあってるだけ」

金髪男がそう言うと、女が私の口を手で塞ぐ。


黒髪の男は両手にモーニングスターを構え、金髪男も剣を抜く。

その隙に、私は家の奥へ逃げ込んだ。

すると、程なくして。


「よかった……間に合ったみたいだね」

黒髪の男はふぅと息を吐いた。


「あ、あの……ここは?」

久しぶりに同年代の人と話すと、声が震えてしまう。


「俺の家だよ。ここなら、あいつらも追ってこれない。傷も治してもらったんだ」


助けてもらったことが嬉しくて、私は自然と笑みがこぼれた。


「ありがとう……でも、私、関わらない方がいい」

深々と頭を下げる。


「なんで? そしたら、あいつらにまたやられちゃうよ?」


「でも、あなたが助けたら、今度はあなたが狙われちゃうでしょ?」


黒髪の男は少し考え、微笑んだ。

「俺は大丈夫。」

そういうと黒髪の男は問いかける。


「ねえ……少しでもあいつらに仕返ししたいとは思わない?」

彼は手を差し出す。そして、不意に2人にやられてきたことを思い出す。


「でも、魔法も武器も使えない私が……」


「だから、強くなるんだ。一緒にあいつらを見返そう……な?」

満面の笑みで手を握ってくる。胸が熱くなる。


「強くなるって、具体的には?」

少し興味が湧いた。


「魔法や武器の使い方を、一緒に修行するんだ。もう二度といじめられないように」


「う、うん……やろう、一緒に」


「よろしくな。俺は、エンゼル・ルミナ」


「エンゼルって……あの七英傑の……?」

驚きで声が出る。


「そうだよ。君の傷を治してくれたのが七英傑のお母さんだ。今、買い物に行ってるけどね」


「ル、ルミちゃん……!!」

思わず声が出る。この人となら大丈夫だと、心が少し軽くなる。


男はギョッとした顔をする。

「ルミちゃん!?って」


続けて私は言う。

「私は、ミア・ノクターンよ、よろしくお願いします!!」

私は満面の笑みで微笑んだ。


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