勇者が世界を救う物語かと思いきや、壊したものの修理代をきっちり請求されるところから始まるのが最高でした。
ダンジョン、魔王城、古代遺跡、魔法庁。
普通のファンタジーなら「派手に壊して爽快!」となる場面で、この作品は必ず「では修繕費はいくらです」と現実を突きつけてくる。
その発想がとても面白いです。
リーナは強くて可愛いのに、やることなすこと被害額を増やしていく歩く災害。
それに対して、アレクさんが淡々と請求書を突きつける温度差が毎回楽しいです。
しかもただの一発ネタでは終わらず、読み進めるほど営繕課の仲間たちの関係性が育っていくのも魅力です。
特にリンネのエピソードは、普段のコメディ調の中にきちんと仲間としての絆が見えて、とても良かったです。
世界を救うには剣でも魔法でも愛でもなく、まず予算。
この身も蓋もない現実感が、この作品の個性だと思います。
笑えて、テンポがよくて、気付けば次の請求額が楽しみになってしまう異世界お仕事コメディです。
おすすめです!