ぬいぐるみは家族

@unekichi2026

第1話

ぬいぐるみ協会から参りました、インターフォン越しに元気のいい声が聞こえたが、モニターには誰もいない。

玄関を開けてみても人の影がない。


もう一度 元気よく

ぬいぐるみ協会から参りました

と声が足元から聞こえた。


扉を開けてみると

なんと、可愛らしいぬいぐるみが2体立ってこちらをみているではないか!


一瞬びっくりした。

しかし、我が家ではぬいぐるみが喋ることは日常的な光景なのですぐに受け入れることができた。

ニッコリと微笑みながら彼らを見ると、一人はトムとジェリーのトム、

もう一人はジェリーであった。(もう、一体から一人へと視線が変わった)


そう、我が家はたくさんのぬいぐるみが人間よりも幅をとって、ソファーに座っていたり、ダイニングテーブルにいたりする。一緒に食事や晩酌につきあい、もちろん旅行にも、車はもちろん、飛行機、新幹線にも乗る。

神宮球場への野球観戦にもついてくる。

おもちゃだがパスポートさえ持っている。こういう光景が我が家の日常である。


ところで

どうしてぬいぐるみ協会からわざわざ我が家を訪ねてきたのか、尋ねてみると。


どうやらこんなにぬいぐるみを大切にしてくれる家庭は世界中どこにもない、とのことである。

そのため感謝とこれからのビジネスを一緒に行いたいとのことで来訪したそうである。


ぬいぐるみ協会理事長代理のトム

この度我が協会はオタクをぬいぐるみ協会代表一家に任命しました。

つきましては歓迎レセプションを行うのでご一家とぬいぐるみたちの参加をお願いします。場所は帝国ホテルです。


ちょっと待ってください。

どうしてうちの様子がお分かりなんですか。


いつもお宅のご様子は詳細に報告を受けていた物ですから、、、。


他の家族の生活様式は知らないが、我が家ではぬいぐるみも家族の一員であることは間違いない。

結婚した翌年にやってきた「うめ吉(通称、うめ(以後この名前を使用)」はもう完全に家族だ。

ついさっきも馴染みの珈琲店で話題がペットの話が出て、何か動物を飼っているかとの質問が振られた時に答えに窮した。

「飼っている」というよりは「一緒に暮らしている」と言った位置付けであるから、ぬいぐるみではあるが。


そんなところを逐一報告していた!、とは誰が(?)だろうか?

それは後にわかることだが、、、


改めての要請と経緯をこう話してきた。

 

それにしても我が家にはぬいぐるみがたくさんいる。それぞれ紹介しよう。


うめ吉(犬)

ジェラ(猫)

颯太(レッサーパンダ)

つば九郎(燕)

ゴマ(ゴマアザラシ)

ピーターラビット(うさぎ)

レンちゃん(トナカイ)


こういったメンバーだ。


1日はこういった流れで進む

それぞれが毎朝、娘のベットから起きてダイニングへやってくる。

全員の時もあれば、バラバラでくる時もあるが、基本的に朝から全員ベッドから起き、ダイニングテーブルやソファなどの気に入った場所に座っている。または再度寝ている者もいる。

そして主人の私が仕事へ行く際には妻とうめが玄関まで来て手を振ってくれる。うめは娘の時も同様に玄関まで行くそうだ。うめ自身も日課と認識しているようだ。

日中はめいめいお気に入りの場所から掃除洗濯している妻を見たり、テレビを見たり、外の景色を眺めたり、寝ていたり!、しているそうである。

夕方、夜に家族が戻って来るとまた活動し始める。


ただ言えることは、いつも家の中で一番いい場所にいることだ。

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