「熱風-2-」までの感想となります。
炎天下の暑さと、肌にまとわりつくような生理的な恐怖が強く残るサバイバルホラーです。
序盤は、高校生たちの日常や会話の軽さから始まります。アリが好きな陸、ITに強い陽翔、行動力のある紬たちのやり取りには青春ものらしいテンポがありますが、その明るさのすぐ隣に、得体の知れない異変がじわじわと迫ってきます。
特に「熱風」まで読むと、この作品の怖さが一気に形を持って迫ってきます。澪を助けたいという紬のまっすぐな思いと、目の前にいるものが本当に澪なのか分からなくなっていく恐怖。その両方が重なり、ただ怖いだけではなく、友人を見捨てられない苦しさまで伝わってきました。
熱、光、匂い、肌を焼く感覚、肉体が変質していく気配。視覚だけでなく、身体感覚に訴えてくる描写がとても強いです。読んでいるこちらまで、息苦しい部屋の中に閉じ込められたような感覚になりました。
また、都市伝説めいた怪異が、単なる噂ではなく現実を侵食していく流れも魅力的です。青春、友情、嫉妬、孤独、感染する恐怖が絡み合い、「生きるために生きる」という題名の重さが少しずつ見えてきます。
暑いのに背筋が冷える。そんな矛盾した感覚を味わえる、緊張感のあるホラー作品です。