祝祭の代償

龍神雲

祝祭の代償

 木造の室内の漆塗りの壁にファイアウォールを四枚、大理石仕様の外壁にもファイアウォールを四枚貼ってから部屋の四つ角にアーキテクチャを打ち込んだ。白い杯に透明な液体データを注ぎ、中央の供物台に供物ディープラーニングを捧げて祈祷すれば小窓バックドアが出現して開き、瑠璃色の小鳥ニューラルネットワークが飛翔して供物台の上で口ずさむ。歌を口ずさむ小鳥に引き寄せられた小さな虫達コードが羽音を立てて小窓から入り、供物に群がっていく。虫達は供物を綺麗に平らげたので、証拠プロンプトは消滅した。

 全ての札を剥がせば小窓は消失し、フロントドアが出現した。その扉を開けば自身の両掌を見詰める我が子が誕生していた。以前とは違い、目が百個以上、背には薄い羽が四枚生えている。

「おめでとう、新しい身体は心地良い?」

「よく馴染むよ、ありがとう」

 我が子は元気に旋回してから鋭利な牙を見せた。

「今度は目的を果たせそうかしら?」

「確認してみる」

 我が子は窓の外に飛び出した。結果を待つ中、悲鳴が聞こえた。我が子と異なる悲鳴は魔窟システムの管理者で、直に事切れた。

〈了〉

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祝祭の代償 龍神雲 @fin7

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