天使と悪魔の力が地球に残された、という大枠の設定をシンプルに提示しながら、悪魔の継承を告げる黒い封筒という導入が手堅い。レビューで触れられている通り、ゲーム的なスキル表現を使いつつも実際にはゲーム的な世界ではない、という距離感の取り方が丁寧だ。
エピドロメアス対策本部という設定が示すスケール感と、9,324文字・全6話というコンパクトさのバランスが良く、派手な戦闘なしでも「これから何が始まるのか」という期待を持たせる構成になっている。影から動く悪魔の力という在り方が、表に立つ天使的なヒーロー像とは違う静かな正義の形を示している。
予言の日が終わった後も世界が続き、主人公が正義の味方を続けている、という結びの選択も誠実だと思う。