コレクター
佐一 きち
1
俺の人生はまぁまぁ不憫だ。
昨日の夜も母親と兄貴の喧嘩を止めに入ったら思いっきりぶん殴られた。
こ洒落たおもちゃ屋のガラスで痛々しい頬を確認してみると、ありえないぐらい腫れててちょっと触っただけでもビリッとした痛みが走った。
「…いってぇ、普通殴るかよ」
12月の朝、寒天の空の下に吹く風だって俺を殴ってくる。今日は一段と寒い日だった。
そんな時、強風とともにコスプレをした女性が後ろを一瞬通り過ぎた気がした。
振り返るとそれらしい人はいなくて、俺はそろそろ学校に行くかと歩き出した。
交差点には多くの人が立ってる中、車側の信号機が赤になったタイミングで俺は皆より先に渡った。
ドンッ!!
いつもは急いでても青になるまで待つのに。
その日に限って俺は赤信号でも構わずかっ飛ばしてくる車にはねられ、そこで記憶が途絶えた。
第1話:コレクター
次に目が覚めると、赤い空がめいっぱいに広がる異世界にいた。
「なんだここ…」
広大な野原で倒れていた俺は体を起こし、辺りを見渡した。
遠くの方にいくつかレトロな建物が建っており、この周辺には何も無かった。
ふと足元を見ると、何かしらの機械の1部が落ちていることに気づき、手に拾った。
錆びているが恐らく金属製で、深海魚みたいな独特な形をしていた。
「コレクションするの?」
急に幼い少女に話しかけられた。
いつの間に近くに来たんだ?
「いや、拾っただけだよ。いる?」
少女は首を横に振り、こう言った。
「それは君のだよ"コレクター"」
「"コレクター?"」
その瞬間、辺りが奇妙で不快な空気感に変わった。
空が裂け、天から大きな手が出てくる。
「なんだあれ…!」
その手には大きな蛇行剣を持っており、俺は瞬く間に身体を真っ二つに切られ、また記憶が途絶えた。
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